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うみねこ通信 No.4 平成11年10月号

目と栄養

眼科部長  木村 百子

古くはウナギ、近年はブルーベリーが目に良い食べ物として喧伝されています。ウナギにはビタミンA、ブルーベリーにはアントシアニン色素という目に関係する成分が多く含まれていますが、残念ながら食べても視力が向上するわけではありません。

 現代のような豊富な食べ物に恵まれていなかった昔、人々が限られた食餌しか摂ることができなかった頃は、ひとたび麻疹などの重症の感染症に罹り、吐いたり、下痢したり満足に食べることができなくなると、目に必要な栄養素が欠乏し失明することがありました。
 欠乏すると重篤な目の障害を起こす栄養素にはビタミンA、ビタミンB1があり、前者の欠乏症には夜盲(とり目)、角膜軟化症、後者の欠乏症では、軸性視神経炎が知られています。
 しかし現代では、これらの栄養の欠乏による目の病気は非常に希で、私の経験した例は食事を摂らないアルコール中毒者1名のみです。
 現代では栄養素の欠乏による目の病気よりも、むしろ、塩分の過剰摂取による高血圧や、大食過食による糖尿病の方を警戒すべきで、成人の失明原因の第1位は糖尿病による網膜症です。

 目は心の窓ならぬ体の窓。高血圧、糖尿病、動脈硬化、貧血、脳血管障害などいろいろな病気の影響を受ける器官です。日頃から全身の健康に留意することが視力を保つコツです。

10月10日は、目の日です。

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