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副院長(外科) 相内 晋
平均寿命が延び、高齢化が進みつつあるわが国では、生活習慣の欧米化とあいまって、脳血管障害や虚血性心疾患など動脈硬化に起因する疾患に悩む患者さんが増えています。かつては動脈硬化というと、加齢に伴う老化現象と考えられていましたが、最近では加齢に伴う「生理的な動脈硬化」と、種々の危険因子の集積によって起こる「病的な動脈硬化」とに分けて考えられています。
危険因子として考えられるものは、高血圧、高脂血症、喫煙、肥満、糖尿病、痛風、不適当な食生活、ストレス、運動不足などで、これらの長い年月の集積が動脈硬化を進行させ、近年の若年者の動脈硬化症〔特に虚血性心疾患〕の増加の原因となっています。不健康な生活習慣が種々の危険因子を生じ、それによって「病的な動脈硬化」が進行し、種々の臓器障害を起こす結果となります。
健康な習慣をつけ、危険因子を積極的に除去することが、動脈硬化の予防及び治療において最も必要であることを認識しましょう。