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うみねこ通信 No.22 平成13年4月号

スキンケア
-皮膚を健康で美しく保つために-

膚科部長  亀田 忠孝

健康な皮膚には体を守るいろいろな働きがあります。スキンケアの目的はその仕組みがうまく働くように、傷ついた皮膚を健康に戻したり、不足しているものを補ってやることです。

皮膚にはさまざまな組織があります。皮膚の一番外側の表皮にはバリア機能があります。表皮の最も外は角層といって、汗や汚れと一緒に垢となってはがれ落ちます。角層の厚さはたかだかラップ一枚程度ですがバリア最前線で有害物質の侵入や体の水分の蒸発を防ぎ、水分を吸収して保持し、皮膚のうるおいを保つ働き(保湿)があります。さらに皮膚の表面は皮脂膜で覆われて弱酸性に保たれているため、細菌が繁殖しにくいようになっております。また、表皮にあるメラノサイトのつくるメラニン色素は有害な紫外線が体の奥深く入り込むのを防ぎます。表皮の下には皮膚の弾力や張りを保つゼリー状の間質からなる真皮があり、その老化による繊維の変性は「しわ」を生じます。真皮の内側の皮下組織には皮下脂肪があり、一種のクッションの役目をはたしたり、断熱材として働いています。こういう仕組みがうまく働いてこそ、健康な皮膚といえるわけです。

洗いすぎに注意

皮膚の汗や汚れを落ちし、清潔にすることは病原菌の繁殖を防ぎ、皮膚のトラブルを防ぐうえで大切です。しかし洗い過ぎると角層が過度に取り除かれ、十分な水分を保つことが出来なくなり、皮膚が乾燥します。やさしく洗うようにしましょう。「垢こすり」などは誤ったケアです。

肌荒れを防ぐ

「肌荒れ」とは、角層の水分が不足し、乾燥してカサカサになった状態です。皮脂膜がこわされることが主な原因ですが、炊事や洗濯で洗剤を使う機会の多い人や頻繁に手を洗う人は皮脂膜が失われて肌荒れを起こします。水仕事の後や入浴後など皮脂が失われた時はワセリンなど油性の軟膏や尿素配合の軟膏をぬっておくと角層の水分保持力をたかめ、皮膚の乾燥を防ぎ、保湿に役立ちます。特にお年寄りは加齢に伴って皮脂の分泌が減って、角層の水分を保持する力が弱くなるため保湿に注意しましょう。また、肌荒れが心配な人は保湿入浴が効果的です。冬季には唇も荒れやすくなります。なめるとますますひどくなります。リップクリームなどをぬって保湿しましょう。

紫外線から皮膚を守る

年をとるにつれて、しだいに皮膚の弾力や張りがなくなり、みすみずしさが失われ、「しわ」がでてきます。加えて紫外線は皮膚を老化させる大きな要因になります。表皮を通り抜けた紫外線が真皮の繊維組織を変性させ、皮膚の張りをなくし、「しわ」が出来やすくなります。また、「しみ」も増やします。誤った過度の日焼けを避けてサンケアを心がけましょう。それには帽子、サングラスそしてサンスクリーン剤を上手に使いましょう。

素肌の美しさを守るには生活に留意し、肌のタイプや季節に応じたケアをすることが大切です。寝不足や胃腸の具合が悪いときは肌の状態も悪くなり、精神的なストレスも影響を及ぼします。すこやかな肌のためには規則正しい生活と心身の健康が欠かせません。また、乾燥肌の人とあぶらしょうの人では必要なケアが異なります。大切なのはその時々の肌の状態に合わせて適切なケアをしていくことです。

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