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主任薬剤師 上林 崇
「あなたは薬を飲んだことがありますか?」
そう聞かれて「いいえ」と答える人は、ほとんどないでしょう。それほど薬は、我々の生活の中に深く入り込んでいます。
ひとくちに『薬』と言っても湿布や軟膏・坐薬・目薬など、いろいろな薬があります。しかし一般に『薬』というと、内服薬を想像する方が多いようです。ではその内服薬ですが、あなたは間違って使用していませんか?
薬の用法、間違っていませんか
薬を飲む際の注意は
ジュースや牛乳などは、効果に影響する薬もあります。また少量の水では食道に炎症をおこす事もあります。薬はコップ1杯の『水』で飲むようにしましょう。(心臓・腎臓疾患などで、水分制限のある方は制限内で飲みましょう。)
薬を飲み忘れたときは
一般的には、次の服薬時間まで時間があるときはすぐ飲みます。次の服薬時間が近いときは、1回分はあきらめます。2回分まとめて飲んではいけません。但し、薬によって特別な対応が必要な薬もあります。自分の薬はあらかじめ医師・薬剤師に確認しておきましょう。
乳幼児に薬を飲ませるには
子供向けの薬の多くは、甘く飲みやすいように工夫されています。子供の成長にあわせ、そのまま又は水に溶かして与えましょう。乳児の散薬は、少量の水に溶かして、スポイトやほ乳びんの吸い口で与えると飲ませやすいようです。どうしても薬が飲めない子供には、ジュースやプリン・アイスクリームなどに混ぜると与えやすいようです。但し、先に述べたように効果に影響する薬もありますし、苦みが増すなど逆に飲みにくくなる薬もあります。薬をもらう際に薬剤師に相談しておくと良いでしょう。
妊娠中の女性は要注意
妊娠中の方や妊娠している可能性のある方は、おなかの中の赤ちゃんに奇形など影響することがあります。特に妊娠初期は可能ならば服薬を避けましょう。服薬を中止できない方は、あらかじめ医師とよく相談をしておきましょう。
使用期限に要注意
以前もらった薬を大事に持っている方、薬にも使用期限があります。長いものでも2~3年が限度です。古い薬は処分しましょう。
病院をかけもちしている方へ
薬には外観が異なっていても、同じ効果の薬があります。また飲み合わせで効果が増したり、逆に弱くなったりすることがあります。他の病院から薬をもらっている方は、あらかじめ医師に伝えておきましょう。調剤薬局を1ヶ所決めて利用し、薬の飲み合わせをチェックしてもらうのも良いでしょう。
今回は内服薬について簡単に述べました。薬を飲むのも医療行為の1つです。正しく服薬し、より効果的な薬物療法を心がけましょう。