閉じる
HOME
診療科のご案内
当院のご紹介
ご来院の皆様
採用情報
診療科・各部門
各種ご案内


HOME ≫ 各種ご案内 ≫ 広報誌のご案内 ≫ うみねこ通信 ≫ バックナンバー ≫ 平成14年12月号

うみねこ通信 No.42 平成14年12月号

大腸ポリープと大腸癌

第二内科第二部長  品川 博樹

体の中にできた小さいコブや出っ張りのことをポリープと呼びますが、これが大腸の内側にできたものを大腸ポリープといいます。大腸ポリープは癌(がん)に成長していく可能性のある腺腫(せんしゅ)と癌にならないその他のポリープのふたつのグループに分かれます。

腺腫は良性のもので、10mm以下の比較的小さいものがほとんどですが、大きくなるにつれて、その中に悪性(=癌)細胞が発生し、大腸癌に成長していくものもあります。そこで、実際にはある程度の大きさになったものを摘除しています。お腹を切らなくても、検査のときと同じように肛門から挿入した内視鏡で焼き取ることができます。当院では5mm以上のものは摘除を勧めています。10mm以上になると、摘除したときに出血などがおきやすくなりますし、形によっては摘除ができなくなることもあるからです。それに、10mmぐらいになってくると、腺腫の中に悪性細胞が発生してくるからです。

なるべく悪性細胞が発生する前に、あるいは悪性細胞が発生しても内視鏡で摘除できるうちに見つけることが大事です。しかし、ポリープが大腸の中にできていてもほとんどの場合症状はありません。血便や便秘、下痢、腹痛などの自覚症状は、ポリープが成長して、ある程度進行した癌になってからでないと出てきません。ですから、ポリープを見つけるためには、無症状でも内視鏡検査を受けることが一番確実です。

検診などではまず便潜血(せんけつ)反応検査を行っています。これは便に混じっているごく少量の血液も検出できる検査です。陽性の場合は、血液がポリープや癌の表面からにじみ出ている可能性があります。潜血反応が陽性の方に内視鏡検査を行うと、約30%の方に腺腫があり、さらに約3%の方には癌が見つかります。しかし、ポリープや癌があっても絶えず出血がおこっているわけではないので、便を採取したときに出血していなければ、潜血反応は陰性となってしまいます。やはりポリープや癌の確実な診断には内視鏡検査が必要です。

このページの先頭へ