HOME ≫ 各種ご案内 ≫ 広報誌のご案内 ≫ うみねこ通信 ≫ バックナンバー ≫ 平成17年3月号
歯科口腔外科部長 中山 勝憲
最近、「インプラント治療をやっていますか?」「インプラントの費用は?」「インプラント治療の詳細を知りたいのですが?」など、インプラントに関する患者さんからの問い合わせが多くなったような気がします。ところで、皆さんはインプラントをご存知でしょうか?保険導入されていない治療のため認知度は今一つかもしれません。しかし名前だけは聞いたことがあるという方も多いことでしょう。そこで今回はインプラント治療に関して簡単にご説明させていただきます。
インプラントとは乳歯、永久歯に続く「第三の歯」として注目されている最新の歯科医療です。簡単に言えば永久歯が再び生えてきたと考えてもらえば分かりやすいのではないでしょうか?
従来、虫歯や歯周病により抜け落ちてしまった部分はブリッジや取り外しの入れ歯などで補うのが一般的な歯科医療とされてきました。今もその概念は変わっていません。しかしブリッジの場合、支えの歯が必要なため両脇の歯を削らなくてはなりません(虫歯でもないのに削りたくないですよね!)。取り外しの入れ歯では適合が悪かったり、発音しにくい、違和感が強い、吐き気がするなど患者さんにとって不都合を強いられることも少なくありませんでした。一方、インプラントは歯が抜け落ちてしまった部分の骨に人工歯根を手術で埋め込み(既に歯が一本もない方でも可能です)、生着したらこの上に歯をかぶせるのです。無論、周りの歯を削ることもなく、取り外しの必要もないため、ご自分の歯と同じ感覚で使っていただくことが可能です。歯が抜けて初めて分かる不自由さ!それを解決する夢のような治療が現在はあるのです。
それでは、インプラント治療の流れをご説明致しましょう。
以上がインプラント治療のおおまかな流れです。現在のインプラントは骨と半永久的に結合するチタン材料を用いたものが一般的です。これによって一昔前のインプラントとは異なり格段に生着率が向上しています。歯ブラシなどの管理をしっかり行えば半永久的に使用することも可能なのです。また、以前なら不可能と言われてきたあごの骨が痩せた方にも骨移植を併用することによりインプラントを埋め込むことが可能となってきました。唯一の欠点と言えば、とても良い治療法にも関わらず高齢化社会・医療費高騰のあおりから未だ保険導入は認められていないことでしょうか?
しかし、いくら保険医療が安いと言えども、合わない入れ歯を何度も作り直したり、何度も調整に通院したりということを考えると、インプラントの方が安いという試算もあるぐらいです。これは歯に対する個人個人の価値観によるところが大きいと言えるでしょう。歯磨きさえすれば、入れ歯のような道具を使っているという感覚無しに使えるということが何事にも代え難い利点ではないでしょうか?
最近、歯のある方と無い方の間に様々な病気の罹患率に差があることが分かってきました。無論、ご自分の歯で食事をされる方のほうが病気になりにくいというのは言うまでもありません。毎日しっかり噛むことはボケ防止にもつながることが分かっています。お子さんやお孫さんと同じものを食べたくはありませんか?食べる喜びを再び感じたくはありませんか?食生活の充実はしいては健康増進につながるのですから…