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うみねこ通信 No.73 平成17年7月号

「ED(勃起不全)」について

泌尿器科第二部長  伊藤 弘之

ED(erectile dysfunction)は日本語で「勃起不全」といい、現在いろいろな治療薬があり話題となっています。日本ではEDに悩む人は1000万人以上いると言われ、多くの方が悩んでいると言われていますが、羞恥心のため病院へ相談するのをためらっている方も多いようです。しかし高齢化社会、生活習慣病の増加、ストレス等により今後ますます増えると考えられています。EDに関してはまだまだ誤解や偏見もあると思われますので、今回はEDについて説明したいとおもいます。

Ⅰ.EDとは?

EDとは勃起機能の低下を指し完全に勃起ができなくなった状態だけを指すわけではありません。満足な性行為を行うに十分な勃起を発現できない状態であり、「常にできない人」だけでなく「時々できないことがある人」「途中でダメになる人」のいずれもEDの疑いがあります。

従来、よく使われてきた「インポテンス(性的不能)」という言葉は、機能だけでなく人格をも否定するものなので、現代では勃起機能の低下を指す「ED」を使用するのが主流です。

Ⅱ.勃起の仕組み

勃起が起こる仕組みは性的刺激による興奮が脳へ伝わり、さらに脊髄を介して陰茎の勃起神経へ伝わります。陰茎は海綿体というスポンジのような組織を白膜という膜で包んでいます。神経の指令により陰茎に血液が流入しスポンジ(海綿体)に吸収され、また出て行く血液が止められるため内部の圧力が高くなり、風船(白膜)を膨らますような状態となり勃起が起こります。

Ⅲ.EDの原因

EDの原因には加齢にともなう男性ホルモンの低下やストレスなどの精神的なものによるものもありますが、生活習慣病によって起こるものもあります。糖尿病の人では神経障害により陰茎へ刺激が伝わらず、また高血圧や高脂血症の人では動脈硬化により陰茎へ十分な血液がいきわたらなくなります。このため、こうした生活習慣病の人はEDとなる可能性が高くなります。このほかに神経の病気、骨盤内の手術、うつ病が原因となるものもあります。

Ⅳ.EDの治療

簡単な問診と診察、心電図検査などを行い、ED治療薬(クエン酸シルデナフィル、塩酸バルデナフィル)による薬物療法を行います。ED治療薬について心臓病の人が飲んではいけないと誤解されている方も多いようですが、安全性に関するチェックを行ったうえで適切な指導の下に正しく飲めば危険ではありません。ただ、他の薬との飲み合わせ(硝酸薬など)により死にいたることがありますので、ED治療薬を希望される場合は現在の内服薬をすべて医師に伝えること、またED治療薬を使用されている方が他科を受診される場合にはED治療薬を使用している旨を伝えることが必要です。ED治療薬が無効であった方には必要に応じて他の治療を行います。

Ⅴ.EDを防ぐには

EDの原因の部分でも述べましたが、EDは生活習慣病が原因となることが多く、生活習慣病を予防することがEDの予防にもつながります。このため、
① 動物性脂肪、塩分を控えたバランスのよい食生活
② 適度な運動と腹八分目の食事で肥満を予防
③ 禁煙、節酒
④ ストレスをためない
などを心がけましょう。

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