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看護師長補佐・呼吸療法認定士 佐々木 悦子
慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん(COPD))という病名を聞いたことはありますか?この病気は空気の通り道である気管支等に炎症性の病変が生じ、慢性的に空気の流れが悪くなり呼吸困難を起こす病気の総称です。慢性気管支炎、気管支ぜんそく、肺気腫などが含まれ、ヘビースモーカーに多い病気で患者さんの90%は喫煙者といわれています。また喫煙者の周囲にいる人は、受動喫煙で喫煙者と同じかそれ以上の有害物質を吸い込むことになりますので、非喫煙者であってもCOPDにかかりやすいことがわかっています。
症状はせきやたんが持続したり、階段の上り下りや、長い距離を歩いた時に息切れを感じるようになり、年齢を重ねる毎に呼吸機能も低下するので、病気は徐々に進行します。1990年の日本人全体の死亡原因では6位でしたが、2020年の予想では3位とされている実は身近な病気なのです。現在自覚症状が無い人でも、喫煙者やその周りにいる人には、この病気の予備軍の人が多くいると考えられています。治療はまず禁煙です。早期に診断を受けて治療を開始すれば、呼吸機能の低下を食い止められ、健康な人とあまり変わらないような生活を送ることもできます。
今回簡単な呼吸体操をご紹介します。COPDの予備軍のみなさんだけでなく、年齢を重ねることで徐々に低下する呼吸機能を維持するためにも毎日の生活に取り入れてはいかがでしょうか。
呼吸の動きと呼吸に関わる全身の筋肉の動きを整える事で息切れを減らし体力をつける事ができます。
1~12の体操を4回ずつ行います。
すべての体操は「1、2」で息を吸い「3、4、5、6」で口をすぼめながらゆっくり息を吐きます。
1.胸とお腹に手を当てて腹式呼吸
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2.肩の上げ下げ
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3.上を向いて首筋を伸ばす
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4.胸を張って胸の筋肉を伸ばす
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5.体を横に倒して脇腹の筋肉を伸ばす
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6.体を左右にひねって胸のまわりの筋肉を伸ばす
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7.両腕を真上に挙げる
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8.両腕を真横に挙げる
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9.かかと挙げ、または片方ずつ膝を伸ばす
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10.足踏み
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11.肩の上げ下げ
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12.胸とお腹に手を当てて複式呼吸
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