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うみねこ通信 No.80 平成18年2月号

「作業療法」をご存知ですか?

主任作業療法士  佐々木 美保

作業療法(OT:Occupational Therapy)は、障害を持つ人が自立した生活を送ることのできるように支援するリハビリテーションの治療のひとつです。
簡単に言うと「こころ」と「からだ」のリハビリです。「作業療法」を行う作業療法士は、理学療法士や言語聴覚士などとともにリハビリに携わる専門職で、医療、保健、福祉、職業・教育などの幅広い分野で働いています。

★ 作業療法って何?

もう少し詳しくお話しましょう。作業療法士は作業活動を用いて、対象となる方機能の回復(腕の麻痺や筋力の回復、精神の安定など)を目指します。同時に、障害があっても残された機能を最大限活用して、生活技術の向上を図る訓練(利き手の交換や片手での着替えや調理動作など)を行います。さらに、社会適応能力の獲得のために、家屋改修についてのアドバイスや車椅子での外出訓練などを行います。

★ 作業療法の「作業活動」って何?

それでは作業療法で行われる「作業活動」って何でしょう?作業療法では人間に関わるすべての活動を「作業活動」と呼び、治療や援助の手段として用いています。例えば、日常生活で行われる、食べる、着替える、料理をするといった活動は、実際にその活動を行うことが治療の手段であると同時に作業療法の目標となります。また、編み物ちぎり絵などの手工芸は、手先の細やかな動きの訓練にもなりますが、ものを作り上げる工程の中に楽しみをみつけ、生きがいを感じることも多く、それらが精神の活動に良い影響を与えます。

★ 作業療法の対象となる方は?

作業療法は子供からお年寄りまで生活に障害を持つすべての人に関わりますが、大きく4つの分野に分けられます。

① 身体障害
(脳卒中、パーキンソン病、脊髄損傷、骨折、他)
② 精神障害
(統合失調症、躁鬱病、アルコール依存症、他)
③ 発達障害
(脳性麻痺、精神発達遅滞、自閉症、他)
④ 老年期障害
(脳卒中、認知症、他)
★ 自分らしい生活の獲得のために

リハビリの最終目的である自分らしい生活の獲得まで、以前は1人の作業療法士が通して関わることがほとんどでした。しかし最近は地域連携が進み、病気の回復に合わせて病院・施設・在宅と、状況に合わせてリハビリを受けられるようになりました。また、病院や施設の機能的な役割分担が行われるようになりつつあり、病気や障害に合わせた専門的なリハビリも行われるようになってきました。

① 急性期:
病気やけがの初期の段階。症状にあわせてできるだけ早い時期から座る練習や自分で食事をとる練習などを行い、心身の基本的な機能の改善を図ります。必要以上の安静による新たな機能低下を予防することが重要になります。
② 回復期:
病気やけがの状態が安定する時期。積極的にリハビリを進め、その方の障害に応じた生活技術の向上を図ります。
③ 維持期:
社会の中で豊かに生きるため、個人の生き方に合わせた生活の実現を図る支援を行っていきます。

※ 現在、青森県に作業療法士は約380人おり、130程の病院や施設で働いています。「作業療法」が皆様にとってより身近なものとなり、ご活用いただけることを期待しています。

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