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栄養管理室長 田村 英子
長寿とはなんだろうか?広辞苑には、「寿命が長いこと」、「長生き」、「長命」などと書いています。数十年以前に、「お幾つになられますか?」の問いに「80歳です」と答えれば「長寿ですねぇ~」と言われたでしょう。2005年9月の厚生労働省の調査では、25,554人の方が100歳以上の長寿で、男性が3,779人を占め、女性が21,775人と今は「100歳以上」が長寿といわれる時代になりました。
日本人の食生活は欧米化が進み、日本古来の食文化と欧米の食文化が丁度よく取り入れられ、魚と肉そして豆腐や納豆などの豆類を摂る食事パターンになりました。日本古来の食文化は、極めて良いものを持っています。豆を例にとると昔からお祝いの席に赤飯、豆御飯、煮豆など豆とお米が使われてきました。彼岸にはおだんご(米の粉で作る)などに小豆が使われています。豆は繊維が多く、米に欠けている必須アミノ酸を多く含み、お米と豆は相性がよいのです。煮しめも然りであり、煮干、鰹節、干し椎茸、だし昆布などでダシをとり、油揚げ、高野豆腐や焼豆腐などの大豆製品と人参、ごぼう、蒟蒻、わらびなど食物繊維の多い野菜と煮しめます。また、大豆は、煮てつぶし味噌玉に加工され味噌の原料になってきました。健康と食事を考えると先人の知恵に驚かされ、この食文化をいつまでも残したいものと思っています。
厚生労働省が2005年7月に発表した2004年簡易生命表によると、「癌」、「心疾患」、「脳血管疾患」の三大死因を克服できれば、平均寿命は男性8.74で歳、女性で7.94歳伸びると発表されました。この数値の意味を考えると、平均寿命は男性が83.78歳、女性が93.53歳となります。つまり、100歳まで生きることは、生活習慣病を予防すれば決して難しいことではないことになります。