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うみねこ通信 No.98 平成19年8月号

乳癌検診について

外科副部長  兒玉 博之

日本では、乳癌にかかる女性が年々増加しており女性の癌のなかで多い癌の一つとなっています。毎年4万人以上の女性が乳癌を診断され、乳癌で亡くなる方も年間1万人に達し、女性の30~64歳における癌死因の第1位となっています。

しかし、乳癌が見つかっても、早く見つけて治療すればより高い確率で治すことができますし、進行の程度によっては、乳房を温存しながら、わずかの切除手術で癌を取り除くことも可能となります。乳癌の早期発見の秘訣としては、自己検診の習慣を身につけることと、乳癌検診を定期的に受けることがあげられます。

① はじめに乳癌の自己検診の方法についてお話します。

まずは、鏡の前で両腕を上げた状態で、左右の乳房の形や大きさに変化がないか、皮膚の変形やへこみ、ひきつれがないかどうかと、乳頭のへこみやただれがないかを調べます。両腕を下げた状態でも同様に、左右の乳房に違うところが無いかどうかを調べます。左右の乳首を軽くつまんで、乳房をしぼるようにし、血の混じった分泌物が出ないかどうかも調べます。

次に仰向けの状態で、あまり高くない枕を背中の下に入れます。左手を上に上げた状態で右手の指の腹を使って左乳房の外側から内側に向かって柔らかく、しかもしっかりと滑らせるようにしながら、しこりがないかどうか調べます。

右乳房も同様に調べます。

それからもう一度起き上がってわきの下のリンパ節を調べます。左手の指をそろえて伸ばし、右わきの下に手を入れて指先を使って、わきの下にしこりが無いかどうかを調べます。左わきも同様にして調べます。

自己検診は、生理が終わった後、5日程度の乳房が張っていない時が適当です。閉経後の人は、月に一回程度、日を決めて行って下さい。

② 次に乳癌検診についてお話します。

乳癌検診では、医師の診察の他に、マンモグラフィという乳腺専用のレントゲン写真撮影がおこなわれます。これは、触診では診断できない小さなしこりや、しこりになる前の石灰化をともなう微細な乳癌の発見に欠かすことのできないものです。

また、超音波検査も行い、しこりの有無を観察していくこともあります。妊娠している方はレントゲン写真は撮れませんので、超音波検査のみを行うことになります。

乳房にしこりが見つかっても、乳腺症など良性の病気の場合もありますので、むやみに不安を感じる必要はありません。しかし、癌と鑑別しづらいものもありますので、しこりを触れたり、自己検診で何だか変だなと感じたら、自分で判断せず、迷わず病院を受診することが大切です。

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