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うみねこ通信 No.137 平成22年11月号

派遣交流を経験して

看護師長  久保 佳奈子

労災病院には派遣交流というシステムがあり、他の施設で勤務した後、また元の施設に戻ってくることが出来ます。この制度を利用し、10年前は浜松労災病院、昨年は関東労災病院でそれぞれ1年間勤務して、今年4月に青森労災病院に戻ってきました。自分の学びたい専門分野や、システムの違い、最新の設備を備えている施設など、労災病院という母体、組織は一つですが病院内の色々なことを実践で学ぶことが出来ます。

10年前は循環器疾患の分野を更に実践で学ぼうと考え、派遣交流を受けました。初めて浜松労災病院に勤務した時には、「同じ労災病院なのに、何故こんなにやり方が違うのだろう?」と驚きました。全く違うシステムに四苦八苦しながら仕事を覚えたのですが、それ以上に大変なことは、その土地の風土や言葉に慣れることでした。勤務して始めの頃、高齢の心疾患の方が「息がえらいよ」と話されたのですが、独特の訛で意味がわからず、ナースステーションに戻り確認すると、「息が苦しいってこと」と教えてもらいました。徐々に言葉に慣れ、コミュニケーションがうまく取れるようになると、戸惑いもなくなりました。看護の基本は同じです。場所が変わっても看護の仕事は出来るということを、身に沁みて感じました。気候については、何せ東北人がいきなり静岡ですから、とにかく暑くて、八戸で見る太陽とは別のものかも知れないと思った程です。釧路労災病院の方も一緒でしたので、北国同士ですぐにクーラーを買いに走りました。電気屋さんを回り、即取り付けてもらって一安心。浜松で暮らすためには、「東北人はクーラー無しでは生きていけない」と教訓を得、高校野球で勝てない理由がわかったような気がしました。(最近は東北勢も大分強くなりましたが…)

初めての土地で、全く知らない人と働き、生活の全てが変わるわけですから、苦労も沢山ありました。しかしこの経験が自分を大きく成長させてくれたと感じています。そして何より信頼できる仲間が大勢できたことです。新しいシステムや設備を現場で実践できることは勿論ですが、一つの方法しか知らなかった自分は、「こんなやり方もあるんだ」と視野が広がりました。又、青森労災病院の良いところに改めて気が付いたりもしました。他の施設で勤務しながら、学びたい専門知識は自分次第でどんどん吸収することができます。派遣当初はとにかく慣れるのに大変ですが、慣れてくるとスタッフがその土地の隠れ家的な場所を教えてくれたりと、楽しいことも沢山経験できます。もしも派遣でこの土地に来なければ、一生訪れない場所だったかも知れません。人の縁とは不思議なもので、浜松労災病院でお世話になった方と、関東労災病院で一緒になり助けてもらったり、研修で一緒になったりしています。その土地その土地で出会えたことや、苦労したことが後に必ずプラスになっているようです。今は派遣交流で経験できたことを、現場で少しずつ活かしていこうと考えています。

茶道では「一期一会」という考えがあります。どの場面、どの施設で働いても、常にベストを尽くせるように、positive thinkingで今後も勤務していきたいと思います。

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