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うみねこ通信 No.173 平成25年11月号

婦人科の外来って、どんなところなの?
~全ての女性が健康に暮らせるよう、応援する科です~

産婦人科部長 梅本 実香

「ようやく決心して来ました、早く来れば良かった!」と、初診でよく言われます。
私は同性なので、良く理解できます。どうして、婦人科は行き難いところなのでしょうか。内診(台)のイメージが強いせいでしょうか。性に関連することを扱うから、かもしれません。困り果ててから受診したところ、病気がこじれて治りにくかったり、実は悪性の病気で進行が始まっていた・・・ということもあります。婦人科への抵抗感をなくすために、まず理解してもらいたいと考え、一般的な婦人科の診療内容を、簡単に説明します。(病院・医院によっては、扱わない内容もあります。)

(1)がん検診

子宮頸(けい)がんを早期発見するため、子宮の入り口の細胞をブラシで採ります。
子宮や卵巣に腫れがないか、超音波で確認します。
どちらも、痛みがあったとしても軽く、辛い検査ではありません。
不正出血・乳がんの既往など、リスクがあれば子宮体がんの検査も行います。
子宮筋腫や良性の卵巣の腫れが比較的多く見つかり、経過観察や治療を行います。

(2)膣、外陰部の異常

おりもの、かゆみ、痛み、できものなど。必要に応じて、菌などの検査や治療をします。
市販薬で速やかに効果がない場合は、受診して適切な薬を処方してもらいましょう。こじれると治りにくく、ひどい痒みがきっかけで外陰がんが見つかることも稀にあります。

(3)月経の異常

月経不順、月経痛、過多月経など。必要に応じて、超音波検査やホルモン検査をします。
いきなり内診されるのが嫌、という方もいらっしゃいます。命に関わるような大出血でもなければ、内診を強制することはありませんので、若い方も怖がらず、まずは心配な症状を話して下さい。

(4)月経以外の出血

ホルモンバランスのちょっとした乱れから、がんまで、様々な原因で不正出血は起こります。可能性は低いですが、がんなどの病気が隠れていると大変なので、必要な検査について説明し、理解していただいたうえで診察・治療を進めます。

(5)不妊症

最近増えています。統計的に、35歳を過ぎると妊娠しにくくなり、逆に流産しやすくなることが知られています。気になる場合、早めに相談を受けることをお勧めします。

(6)更年期障害

閉経の平均年齢は約50歳、女性ホルモンの減少により、心と体に様々な変化が起こることがあります。症状が強い場合は、ホルモン剤、漢方薬、その他の薬により、その方に合ったオーダーメイドの治療が必要な場合があります。

(7)骨粗鬆症

閉経頃から、骨密度が低下しやすくなります。
更年期・老年期の治療と並行して、骨密度検査・治療を行う婦人科が増えています。

(8)性感染症(性病の正式な名前です)

クラミジア、淋病、性器ヘルペス、尖圭コンジローマなど多数あります。気になることがあれば、こじれる前に、早く診察を受けましょう。

(9)避妊

恥ずかしいことでは決してありません。中絶で心と体が傷付かぬよう、サポートします。
その方に合わせて、避妊用ピル、子宮内リングなどが選択されます。

(10)子宮脱

年齢と共に、子宮(膣・膀胱・直腸なども)が下がり、膣の外に出てくることがあります。手術の他、専用のリングを入れて下がりにくくする方法があります。

(11)尿の症状

軽症の膀胱炎や、「過活動膀胱」といって、尿の回数が多くなったり尿もれするなどの症状が女性にも起こりやすいです。これらは婦人科でも治療可能です。

以上、大まかに説明しました。婦人科は、決して怖いところではありません。年齢に関係なく全ての女性の健康のために、婦人科は存在します。気になることがありましたら、是非相談して下さい。

 

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