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うみねこ通信 No.169 平成25年7月号

食の安全について

栄養管理室 調理主任 髙橋 幸四郎

近年、食の安全に関する様々な出来事が発生し、そのため、食の安全性に対し関心が高くなっていると政府の調査で報じられています。

平成13年のBSE感染牛に始まり、大手食品メーカーによる牛肉の原産地などの不正表示、無登録農薬の違法輸入・販売・使用、高病原性鳥インフルエンザ、中国産冷凍ギョーザによる有機リン中毒、飲食チェーン店において腸管出血性大腸菌O111食中毒事件、腸管出血性大腸菌0157食中毒事件、ノロウイルス感染など、食の安全をめぐって多くの問題や事件が発生しております。

私たちが食べ物をとるのは、生命を保ち、健康を増進するためです。そのためには、食べ物をとる意義を理解して調和のとれた食事が必要です。当然おいしく食べるという調理技術も大切ですが、先に述べました、問題や事件を起こさないようにすることが大切になります。

そこで食の安全を考える上でとても大切な食中毒予防についてお話します。

■ 食中毒の基礎知識

食中毒  食中毒とは有害、有毒な微生物や、科学物質等毒素を含む飲食物を口から摂取した結果として起こる下痢や嘔吐や発熱などの健康がそこなわれることです(中毒)。

■ 食中毒の病因物質

大分類 小分類  
微生物 細菌 感染型 サルモネラ菌、カンピロバクターなど
毒素型 腸管出血性大腸炎、コレラ菌など
ウイルス ノロウイルス、ロタウイルスなど
化学物質 貴金属(カドミウム、ヒ素化合物など)、農薬、洗剤など
自然毒 植物性自然毒 毒きのこなど、有毒植物(アジサイの葉、すいせんなど)
動物性自然毒 ふぐ毒、貝毒など

図のように分けることが一般的に行われています。

■ 食中毒予防の3原則

1.付けない(清潔)

原材料は、清潔なものを使用し、施設・設備(台所・調理器具など)は、清潔に保ち、調理・加工は清潔な器具を使用し、清潔な人(調理者、従事者の清潔な習慣、爪切り、手洗い、頭髪服装、健康な身体など)により食品を取り扱いましょう。

2.増やさない(迅速)

食べ物は時間の経過とともに劣化し、食べ物についた菌は時間とともに倍々と増えていきます。そのために食べ物を取り扱う人は、テキパキと仕事をすることが大切です。食中毒を起こす菌量にまで増える5~6時間を与えないために迅速が必要なのです。

調理された食品はできるだけ早く食べ、残ったものは早く冷蔵庫に入れるようにしましょう。

3.殺す(加熱または冷却)

加熱をして、細菌を死滅させましょう。また、食品中の細菌を増殖させない有効な手段として低温で保存する方法もあります。ただし加熱、冷却したからといって全ての食品に有効とは限りませんので、ご用心ください。食品の調理後の管理にも十分注意しましょう。

食中毒というと、レストランや旅館などの飲食店での食事が原因と思われがちですが、家庭の食事でも発生しています。

食品の購入方法、家庭での保存、台所での下準備、調理、食事、残った食品などについて家族でチェックすることも大切です。

当院栄養管理室では、理念の1つである「安全な食事の提供」のため、施設・設備の清潔な管理を行っています。また患者さんに提供する給食に関わる従事者全員が食の安全について十分理解・注意して患者さんの病気、怪我の治療に食事の面からサポートをさせて頂いております。

 

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