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うみねこ通信 No.171 平成25年9月号

皮膚の下にコロコロしたものがあります

形成外科部長 荒 道人

「皮膚を触るとコロコロしたものがある。」ということはありませんか?今回はそのなかの代表的なものについてご紹介します。

1.表皮嚢腫

俗に粉瘤と呼ばれるものです。皮膚の表面の成分が皮膚の下で袋をつくっているものです。袋の中に豆腐かすのようなものが溜まってきて徐々に大きくなってきます。よく「脂肪のかたまりですか?」と聞かれるのですが、脂肪ではなく垢のようなものです。皮膚と小さな穴でつながっているため、触ると臭いにおいがすることもあります。痛みなどがないため放置されていることも多いのですが、袋に感染を起こすと赤く腫れ上がり、痛みを伴うようになります。その場合は、次第に袋も破壊されて、膿のかたまりになってしまいます。この状態になって初めて、病院を受診される方がよくいます。治療は、袋をきれいに取ってしまうことですが、感染を起こしているときれいに取ることが困難になってしまいます。袋の一部が残っていると再発しますから、まだ痛みも何もない時に取ってしまうのが望ましいのです。

2.脂肪腫

皮下の脂肪が腫瘍となって大きくなったものです。表皮嚢腫に比べるともう少し深いところにありますが、表面からでは紛らわしい場合もあります。筋肉の中にできることもあります。まれに脂肪肉腫という悪性のものもありますが、ほとんどが良性のため放置されている場合が多いようです。放置しておくとゆっくりと大きくなり、数十年かけて人の拳大から赤ちゃんの頭の大きさにまでなってしまうこともあります。あまり大きいと手術も大変になってきますので、ある程度の大きさになったら取ってしまうことをおすすめします。

3.石灰化上皮腫

別名を毛母腫といいますが、石のように堅いできものが皮膚の下にできます。子供の方が多いできものです。これも少しずつ大きくなってくるのと、堅いできものなので中でこすれてまわりに液体が溜まってきたり、表面の皮膚が薄くなってきて穴が開いてしまったりすることがあります。時期をみて摘出することとなります。

4.皮様嚢腫

目の回りにできることが多い表皮嚢腫に似たできものですが、生まれつきのもので、袋の壁には脂腺や髪の毛がはえていたりします。かなり深いところまである場合もあります。これも時期を見て摘出した方が良いと思います。

これらの他にも筋肉や血管のできものやガングリオン、リンパ節が腫れたものや皮下脂肪の中に炎症を起こしたものなど非常に多くの種類があります。治療の必要のないものもありますが、早めに治療した方が良いものもあります。コロコロしたものに気づいたら、一度病院で診てもらうことをおすすめします。

 

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