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うみねこ通信 No.210 平成28年12月号

地域包括ケア病棟について

看護師長補佐 久保 孝子

現在の日本は4人に1人が65才以上と高齢化が進んでおり、2025年には団塊の世代が75才となり、3人に1人が65才以上となります。八戸市も例外ではなく、同じような高齢化率です。高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるように、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供できる「地域包括システム」が2012年の介護保険制度改定で示されました。地域において医療や訪問看護介護などのサービスとの連携を強化していくシステムでもあります。

このシステムの実現を支えるものとして、2014年の診療報酬改定で、「地域包括ケア病棟」が新設されました。急性期と在宅の橋渡し役として①急性期病棟からの受け入れ②在宅等にいる患者の緊急時の受け入れ③在宅への復帰支援の役割があります。通常では、急性期治療が終了し症状が安定すると退院になりますが、在宅での療養や施設に移ることに不安がある患者さんに対して、リハビリテーションや看護ケアを行いながら、在宅または介護施設への退院を支援するための病棟です。入院期間は、病状にもよりますが最長で60日以内となり、入院時に、身体状況に合わせて入院期間の目安を決めます。そして、在宅復帰をスムーズに行うために、「在宅復帰支援計画」に基づき、主治医、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリスタッフ、在宅復帰支援担当者、メディカルソーシャルワーカーなどが協力し、効率的かつ積極的に退院支援・退院調整を行います。具体的には、急性期の治療の目途がたち、自宅退院に向けての準備をする時期に地域包括ケア病棟へ移り療養となります。

当院では、2015年3月より4階南病棟が地域包括ケア病棟となりました。整形外科や外科の手術後、肺炎の治療後、他院からのリハビリ目的の患者さんが多くいます。

看護師は患者さんが入院した際に退院後の生活を視野に入れ、患者さんや家族から病状の受け止めや自宅の状況等いろいろな情報を得て、一人一人の状況に合わせて最善な方法を探り出し、退院の目標設定をします。患者さんと家族に退院支援の必要性を説明、意向を確認して、どんな支援が必要か、時には介護申請やサービスの見直しなどをはじめ、使用できる社会サービスや資源には何があるかなどを検討して退院へ向け準備していきます。退院前には、主治医や退院支援看護師、リハビリスタッフ、担当ケアマネジャーや家族も交えて話し合いを行い、患者さんの状況を共有し、安心して安全に日常生活が送れるように努めています。また、必要に応じて退院前自宅訪問を行います。退院前自宅訪問とは、患者さんと家族の方と看護師、リハビリスタッフ等と一緒に自宅に伺い、環境や日常生活の注意点の指導を具体的に行うことが目的です。例えば、今までの退院前自宅訪問では、起き上がりや移動がしやすいようにベッドの配置を検討したり、トイレに手すりを設置してもらうなど、患者さんや家族が安心・安全に生活できるようにアドバイスを行っています。退院後の患者さんや家族からは、退院前自宅訪問をしてもらい良かったとの声を頂いています。

少子高齢化社会が進んでいる現状の中で、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるように、また高齢者を支えていく世代も含めてサポートできるように、医療スタッフがチームとなり地域と連携していきたいと考えております。

 

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