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うみねこ通信 No.221 平成29年11月号

緩和ケアチームの活動

がん化学療法看護認定看護師 小清水 浩子

青森県では、県民が身近な環境で質の高いがん医療が受けられる診療連携体制を構築するため、国が指定する「がん診療連携拠点病院」に準じる診療機能を有する病院を、県独自で「青森県がん診療連携推進病院」として指定しています。 当院はこの診療機能を有する病院として、平成26年2月6日に青森県知事から指定を受け、同時に緩和ケアチームが誕生しました。 青森県がん診療連携推進病院として、集学的治療(手術・化学療法・放射線療法)、相談支援、緩和ケアに取り組んでいます。

緩和ケアとは、「病気に伴う心と体の痛みを和らげること」と緩和医療学会で定義されています。 いつでも、どこでも質の高い緩和ケアが受けられるのは、患者さんとその家族にとって何より安心なことといえます。 患者さんが必要なときに十分な緩和ケアを受けるためには、緩和ケアに対する家族の正しい理解が大切です。 家族に「緩和ケアはがんの末期のもの」「痛いのは病気だから仕方ない」などの誤解があると、患者さんは、緩和ケアを十分に受けられなくなり、痛みなどに苦しむ時間を過ごしてしまいます。 一方、緩和ケアは患者さんだけでなく、家族に対しても行われます。 患者さんをどう支えていったらいいのか悩んだり、社会的、経済的な問題が生じたりするかもしれません。 がんに限らず、医師や看護師は、緩和ケアの必要性を十分に理解していますので、痛みの治療や心の不安など、緩和ケアについて積極的に相談してください。

早期に痛みやつらさに対応するために、苦痛のスクリーニングを行っています。(図1)

苦痛のスクリーニングの結果、体の痛み、心のつらさ、経済的苦痛などで困っている患者さんについて、緩和ケア認定看護師が中心となり、 専門職(医師、薬剤師、栄養士、社会福祉士、作業療法士、歯科衛生士、リンパドレナージセラピスト、退院調整看護師)それぞれの視点から、意見を出し合い、今できる最善の方法を話し合い、主治医や受け持ち看護師と連携し、緩和ケアを進めています。 痛み止め(医療用麻薬)の効果はどうか、患者さんが望む生活はできているか、家族は困っていないか、仕事復帰はどうか、自宅に帰る準備はできているか、在宅医療との連携確認などが話し合われています。

チーム医療を基盤として、患者さんとその家族が「つらいと感じた」そのときから、早期に緩和ケアを受けられるように、患者さんと家族とスタッフ間のコミュニケーションをチームとして大切にしています。 お話しください、あなたのこと。 もし家族や自分が病気により人生の転換期を迎えたら、何がしたいですか、どう生きたいですか、どこで誰と過ごしたいですか、大切にしたいことは何ですか。健康な今だから話せることもあると思います。 身近な人に普段から自分の思いを話して伝えておきましょう。 「緩和ケア」があたりまえの世の中になるように、願いを込めて今後も活動を継続していきます。

 

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