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うみねこ通信 No.233 平成30年11月号

「退院調整」について

退院調整看護師 中村 恵美子

今後日本は、2025年には、いわゆる団塊の世代が全て75歳以上となり、 2040年には、団塊ジュニアの世代が65歳以上の高齢者となる等、人口の高齢化が急速に進展します。現在でも、100歳以上人口が6万人を超え、世界最高水準の平均寿命を誇る超高齢社会と言われ、人生100年時代を見据えた社会の実現が求められています。こうした状況をふまえ、医療現場でも、地域の実情に応じて、可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活が営めることを目指した医療・介護の連携が求められています。医療費削減の為入院期間の短縮が求められ、地域完結型の医療が推し進められています。入院患者さんの中には入院、疾病により入院前と同じ生活が出来ることを希望されていても、残念ながら入院前と同じ生活が出来ない方もいらっしゃいます。  

退院調整看護師は、患者さんが退院後住み慣れた地域での療養が出来るよう、患者さんだけでなく、ご家族が退院後の生活のイメージが付くよう、急性期の治療終了後の患者さんやご家族を支援しています。そのため、退院に向けての課題や退院後のケアについて医師、病棟スタッフと検討したり、患者さんの状況によっては、リハビリや治療の継続の為に、地域の医療機関への転院や施設への入所を支援したりすることもあります。

入院早期から、安心して退院できるよう病棟スタッフと協力して、入院前の生活の状況を確認し、患者さんとご家族に退院後の生活についての御希望を伺っています。そして、医師の方針や回復の見込み、医療の必要度に応じて、患者さん、ご家族の御希望に沿っているかを確認しながら情報提供をしています。自宅で介護・障害サービスを利用されている方には、入院中から担当ケアマネージャーの方と連携を取っています。また、自宅退院にあたり、介護保険を利用する場合や障害者サービスを利用する場合には、その方法についてご説明させて頂いています。さらに、継続した医療処置のある患者様には、訪問診療医や訪問看護師の紹介や連絡調整も行います。

退院前に必要に応じて、訪問診療医、訪問看護師、ケアマネージャー、ヘルパーなど在宅スタッフの方と病院の医師、看護師、リハビリ技師、薬剤師、患者さん本人やご家族の方を含めて退院前カンファレンスを行い、情報を共有すると共に、患者さんやご家族の不安の解消にも努めています。入院中の状況によっては、退院前に退院後療養される自宅を訪問し、日常生活に必要な物(手すりやスロープ、ベッドなど)を準備する手伝いもしています。

これから入院する予定がある方へお願いがございます。入院時に介護保険のサービスを利用していらっしゃる方は、連携を図っていきたいと考えておりますのでお知らせください。患者さんお一人お一人の状況に合わせて、また患者さん並びにご家族の意向に合わせて退院に向けての支援を行っておりますが、入院期間の短縮化により退院許可が出てからの準備では余裕がありません。実際、介護保険の申請をしてから認定が下りるまで、約1カ月かかると言われています。入院早期から、退院後に必要になる医療処置や介護のイメージはなかなかつかないと思いますが、患者さんやご家族がどのように生活していきたいかを、できるだけ早い時期にお話することをおすすめします。退院後の生活について、不安や御心配事がある場合には些細なことでもかまいませんので、遠慮なく病棟スタッフや退院調整看護師にお話しください。

退院調整看護師は、正面玄関入って右手の一階地域医療連携室でお待ちしております。金銭的相談には、MSWと一緒に御相談をお受けいたしております。患者さんとご家族が安心して退院が迎えられることを一番に願っております。

 

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