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うみねこ通信 No.249 令和2年3月号

元気しとったとね?(もうすぐ春ですね)

歯科口腔外科医師 野口 貴雄

ようやく九州の真冬並みに寒さがゆるんできた今日このごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか。私は、通算7回目の青森県の春を(無事に?)迎えることとなりました。寒さに慣れていないからか、初老(40歳)を超えてしまったからなのか、寝起きにトイレに行った時、寝ぼけたままトイレの向かいにある洗面所の鏡を見て「このおっさん誰?」となったことがあります。普通に考えて自分以外にあり得ないのですが、しばらくして「(@@;ハッ)あ、自分?」と気づきましたが、ある意味ホラー映画よりも怖かったかも。。。私の外見の話を続けると、一昨年の暮れに帰省した時、実家の玄関で靴を脱ごうとしていると、「あんた何で勝手に野口さんち(家)に上がりようと?はよ出りぃ!」と、閉まりかけた玄関の扉ごしに近所に住んでいる中学校までの同級生のお母さんに咎(とが)められたこともあります。その一方で、先月には防大1学年時の同じ中隊(訓練などの単位)だった同期生会に出席しましたが、「みんな変わってないね」ということで、20年ぶりに再会した12人の中で「誰?」となることはありませんでした。(外見と言うものは、意外と曖昧なものかもしれません。)

これら私の3つの体験談を無理やり膨らませていくと、「私自身というものは、私自身を見たい様にしか見ていない(見ることができない)。他人は、私のことを客観的に見ることができ、私のことをよく知っている方がより的確に見てくれる。」と言えるのでしょうか。健康に絞って言うと、自分の判断で「まだ大丈夫」と思っていても受診した方が早く良くなることが多いですし、調子の悪い時に飛び込みで受診するよりも定期的にかかりつけ医院・歯科医院等を決めて診察を重ねる方が、より効果的に健康を維持できるということは周知の事実だと思われます。

歯科において「80歳になっても20本以上の自分の歯を保とう」という8020(ハチマルニイマル)運動というものがあります。20本の歯が残っていれば、食べ物を噛んで飲み込みやすくできるということで、運動が始まった1989年には10%にも満たない達成率とされていたものが2016年には51.2%に上昇しています。達成率が上がってきたのは、1989年以降に8020運動に関心を持って歯科受診される方が増え、若い頃から歯を健康に保ってこられた方が続々と80歳に達していることが要因の1つだと考えられます。以前、オーラルフレイル(口腔機能の衰え)についてご紹介させていただきました。一般的に高齢になると口腔機能は衰えます。しかし、40代から気を付けて対策を行っていれば大多数の方が80歳になっても衰えていない社会が実現するのかもしれません。その他、若い頃から関心を持った方が良さそうな疾患としては、「顎関節症」、「口腔乾燥症」及び「顎骨壊死」が挙げられるでしょうか。特に顎関節症は、早期に治療を開始すると外来での治療で終わりますが、経過が長いと入院し、全身麻酔での手術が必要となりますので、「治ったかも?」と思わずに一度はお近くの耳鼻科・歯科医院等を受診されることをお勧めします。

歯

多くの方は健康に不安を抱え始める中高年以降に健康へのモチベーションが高まります。この時期から「歯の喪失を防ぐ」ということが将来の健康寿命を延長させたり、心疾患や呼吸器疾患を減少させたりするという報告がみられます。また生活習慣病と歯周病との関連を示す報告も多くみられます。歯の健康を保つことが、「必要な年間総医療費が減少傾向を示す」という報告もあり、次の「高齢期」をより良い状態で過ごすことにつながります。まずは、歯の健康から(歯に限らず、全身の健康について)「次のライフステージ」への準備に取り組んでみんね?(取り組んでみてはいかがでしょうか?)

 

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