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うみねこ通信 No.250 令和2年4月号

真里谷副院長就任挨拶

副院長 真里谷 靖

令和2年1月1日より、副院長・放射線治療科部長・第二検査科部長として当院に着任いたしました真里谷 靖(まりや・やすし)です。

私は、昭和59年弘大卒で免許が来てから早くも35年以上経った年齢的には少々ロートル化した医者なのですが、医業に対する気持ちはこの年齢になってもなお30~40代の頃とそう変わっておらず、昨今のご時世には全く逆行した生粋の仕事人間です。今回の着任にあたりましては、同門で1学年上の伊神勲副院長・放射線診断科部長(このひとは私以上の仕事人間です)から長きに渡る要請があったこと。また非常勤医師として当院をお手伝いしていた1年ほどの間に、県内第二の都市であるはずの八戸市における深刻な放射線治療専門医不足とその悪影響を直接目にしたことなどが重なり、熟慮を重ねたのち決して居心地は悪くなかった前任地から異動する決心をしました。

私の専門は勿論がん放射線治療なのですが、大学院生時代から留学を経て長らく学んできた放射線生物学(放射線診療の基礎となる学問分野)、原子力災害や放射線診療を広くカバーする被ばく医療、ゲノム医療の基盤となる遺伝子診療学、がんの細胞診断なども並行した準専門領域としており、放射線治療という専門のみに拘らない広い視野でがんの患者さんを診断、治療したいという気持ちを以て努力して参りました。この結果、放射線治療専門医、臨床検査専門医、細胞診専門医という一見ばらばらの専門医資格3つを持つことになりましたが、その先は“がん”という大きな課題にしっかりと収束しており、自らの診療に寄与してきたものと信じています。(私の肩書の説明になったでしょうか?)

現在、既にフルスロットルで仕事を行っていますが、着任と同時に、巷で“ピンポイント照射”と呼ばれる定位放射線治療と体幹部定位放射線治療、がんの形状に合わせて照射し周辺臓器の線量低減を図る強度変調放射線治療、画像情報を用いて放射線治療時の誤差をリアルタイム補正し正確に照射する技法である画像誘導放射線治療など、最新の放射線治療技術と呼ばれる様々な手法を当院の優秀なスタッフと共に早速運用し始めています。

しかし、自らも含め関係者の啓蒙・広報活動への努力が足りないためか、地域のがん治療全体を見回すと放射線治療の威力や低侵襲性(体への優しさ)という長所などは、残念ながらまだあまり知られていないように思われます。特に、体力的な余備能が低下し基礎疾患も増加する高齢のがん患者さんが急激に増加している現代社会においては、体に優しく家からの通院治療も可能な放射線治療がもたらすがん診療への大きな寄与について、地域全体でより深くご理解をいただく必要があることを痛感しております。通常、放射線治療だけによる副作用は、皆さんの予想に反して軽度の場合が多いのです。精密な機器で正確に制御・照射される治療目的の放射線と原爆や原発事故で問題となる放射線(放射能)では意味が全く異なりますので、放射線という名を無闇に恐れる必要はありません、これは我々が強調するまでもなく、現実に治療を受けられた患者さん達がよく実感されておられることと思われます。

これからは、間もなく当院に導入される最新の放射線治療機器・技術を以てさらなるレベル向上を図るとともに、地域の財産ともいえる最新の放射線治療の役割や安全性を皆様にご理解いただけるよう地道な啓蒙・広報活動などを積極的に行い、当院の放射線治療を八戸市ならびに周辺地域のがん患者さんに広くご活用いただける環境づくりを目指したいと思います。若干年齢(とし)はとってしまいましたが、気持ちはまだまだ現役ばりばりの、がん診療が主担当の副院長として、今後とも何卒宜しくお願いいたします。

 

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