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うみねこ通信 No.271 令和4年1月号

新年のごあいさつ

院長 玉澤 直樹

新年あけましておめでとうございます。

平素より、当院へのご協力、ご支援に厚くお礼申し上げます。当院は本年も「やさしくあたたかい病院」という当院の理念を職員全員が心にとどめ、地域の皆様から信頼される病院を目指してまいります。

一昨年の2月以降日本はじめ世界全体が新型コロナ感染症のパンデミックに巻き込まれ、日本において、2021年は第3波、第4波、第5波を経験しました。昨年7月末からのデルタ株による第5波は、過去最大で医療のひっ迫も経験しました。人類が初めて開発したmRNAワクチンは見事に成果をあげました。しかし、ここにきて限界もまた見えてきました。集団のワクチン接種率が70%弱では十分な集団免疫が得られなさそうである事、接種率が十分高くても、免疫獲得期間が8カ月は持たなさそうである事などです。このような限界をしっかりと共有認識した上での対応が必要で、昨年12月から3回目のワクチン接種が始まりました。

2022年は壬虎(みずのえとら)の年で、厳しい冬を越え、芽吹き始め、新しい成長の礎となる年のようです。ワクチンもさらに進歩し、その時々の変異株に見合ったワクチンがtimelyに作製・接種できるようになるでしょう。

新型コロナ感染症者に対する治療においては、早期感染症患者に間もなく使用されるであろう経口抗ウイルス薬が開発され、既に発症予防効果も認められている抗体薬が使用可能となり、症状の悪化に伴い抗ウイルス薬レムデシビル、免疫抑制薬デカドロン、免疫調整薬バリシチニブ、トシリズマブなど、その使用方法が標準化されてきました。

 ワクチンのみでこの新型コロナウイルス感染症に対峙できるということではないので、基本的なマスク・手洗い・3密を避ける・換気などの個人的な対応を継続して行うことも大切だと思います。

まだまだ収束の光が見えない中、当院も微力ながらこれまでどおり県の健康福祉部・八戸地域の保健所・八戸市民病院、八戸赤十字病院等のご指導・ご協力をいただきながらコロナ対策に貢献してまいります。

皆様にとりまして本年がより健やかで、楽しい年となりますよう祈念しまして、年頭のご挨拶といたします。

虫歯(むしば)ってどうやってできるの?

歯科口腔外科医師 芦田 雄基

皆さん「虫歯」を知っていますか?「虫歯」という言葉は知っていても、発症までの流れを知っている人はあまり多くないのかもしれません。今回は「虫歯」について、少し詳しく説明をしていきたいと思います。

「虫歯」とは、“口の中のばい菌が、食べ物中の糖を原料として酸を作り、その酸により溶かされてしまった歯”を指します。専門用語では「うしょく症」といいます。「虫歯」発症は、①「ミュータンス菌」の感染、②「プラーク」が作られる、③「ミュータンス菌」が糖から酸を作り歯を溶かす、という3つの大まかな流れがあります。以下でそれぞれ説明していきます。

口の中には多くのばい菌が住み着いています。口の中で酸を作ることができるばい菌を「ミュータンス菌」といいます。この「ミュータンス菌」は、生後すぐの赤ちゃんの口の中には存在していないと言われています。このばい菌は周りの人たちから感染し、人の口の中に住み着きます。感染原因はお父さんやお母さんが多いと言われています。例えば、「ミュータンス菌」を持った人が使った箸やスプーンなどをそのまま他の人の口に運ぶと、ばい菌が移り感染します。

今度は感染した「ミュータンス菌」が「プラーク」を作り、歯を溶かすまでの順序について説明していきます。口の中の粘膜は、通常唾液で潤っている状態です。歯も唾液によってコートされています。唾液のコートには歯をバリアする働きがありますが、ばい菌を歯にくっつける接着材のような働きもあります。そこにばい菌がくっついていき、色々なばい菌が集まってきます。「ミュータンス菌」もその中に加わり、「プラーク(歯垢)」と呼ばれるばい菌の集合体を作ります。このとき口の中に砂糖があると、「ミュータンス菌」は砂糖を分解、再構築し、「グルカン」という糖を作り、「プラーク」を強化します。「グルカン」によって強化された「プラーク」は、ばい菌たちにとってお菓子の家と思っていただければよいかと思います。このお菓子の家は砂糖で作られているため、ベタベタしていて歯にベッタリとくっつきます。ここにばい菌たちがどんどん住み着き、口の中にある糖から酸を作り、歯を溶かし始めていきます。これにより「虫歯」が出来上がります。

以上の一連の流れが口の中で絶え間なく起こっています。「虫歯」を発症させないようにするには、大きな3つの流れに対して対策をすれば予防できます。

①「ミュータンス菌」感染の対策

口の中に「ミュータンス菌」をなるべく感染させない

まだ感染が起こっていない子どもに食べ物の口移しや食器の共有をしない

②「プラーク」の対策

歯みがきでプラークを除去する

③「ミュータンス菌」が作る酸への対策

1.糖質(主に砂糖)を控える

「ミュータンス菌」は糖から酸を作るため、糖を与えなければ酸を作れないことになります。

2.唾液で酸を中和する

唾液には酸を中和する作用があります。唾液をしっかり出すために、よくかんで食べるようにすることや、口呼吸ではなく鼻呼吸をして口が乾かないようにすることも大事です。

3.「フッ化物」で歯を強化する

「フッ化物」は、歯の構造を変えて溶けにくくする薬剤です。歯磨き粉に含まれることが多いです。

今回は「虫歯」発症までの流れを説明しました。現在日本人の平均寿命は80歳位です。自分の歯で食事していくのであれば何十年もの間、歯を健康な状態に保つ必要があります。歯は毎日使うものであり、食事を楽しむためには必須のものとなります。少しでも口の中について興味を持っていただければ幸いです。

 

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