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うみねこ通信 No.282 令和4年12月号

食習慣を見直すきっかけに
-病院で行う栄養指導-

栄養管理室長 管理栄養士 川村 美穂

どなたでもご自分の食事について考えてみたことはあると思います。情報番組やネットニュースを見た時、周囲の方の体験談を聞いた時など考えるきっかけはさまざまです。そのようなきっかけの1つとして、今回は病院で行う栄養指導を紹介させていただきたいと思います。
まず、病院で行う栄養指導とは、管理栄養士が医師の指示に基づき、治療のために必要な栄養の指導を行うことを言います。単なる相談ではなく治療ですから、患者さんの興味に合わせてお話しするだけではなく、病気についての知識や対処法を覚えていただき、自分の身体に合わせた食事についてより詳しく勉強していただくことが必要です。食事は、一時的な改善だけでなく、5年後10年後の体調などを見越した工夫と習慣化が重要です。
では、栄養指導では、どのように食習慣を改善していくのでしょうか。
例えば、健康で特に体調にも変化がないときに、健康診断や受診等で採血結果に変化があったとします。皆さんならどうしますか? a.元気だから、今は何もしない b.医師に言われたら、注意してみる c.すぐに、治療してもらう d.誰かに相談する。今回は、e.医師の助言を聞いて、管理栄養士に相談するという選択肢があることを知っていただきたいと思います。
当院では、①患者さんの現状をお聞きして、すでにやっていることを評価し、問題点を探ります。②その問題点の原因を突き止め、原因となる事柄について理解していただきます。そのうえで、③さらなる改善方法を指導します。もちろん、患者さんご本人に決定権がありますので、どんな方法を選ばれるかで、より効率的に且つ意欲的に取り組んでいただく方法を考え、実行のための支援をさせていただきます。
具体的には、糖尿病などの代謝異常の患者さんには食べる量や内容、食べ方に関する指導、うまく飲み込めない方や胃腸に問題のある患者さんには食品選びや調理方法に関する指導、化学療法や放射線療法などの治療により食欲や味覚が落ちてしまうような患者さんには低栄養予防に対する指導などがあります。
先ほどの①~③について詳しくご説明します。
①食習慣(食行動)評価;生活時間や生活習慣、食の好みや食べ方、食べる内容や量など食に関わることすべてが情報となり、病気や症状に悪影響となっている習慣を見つけ出す
②食習慣に変化が必要な場合;生活時間の乱れ、食習慣の崩れ、食の好みと摂取量によるバランスの崩れ、身体活動量減少など原因となる事柄について理解してもらう
③改善方法を指導;原因に合わせた具体的な改善方法を提案し、患者さんが挑戦できる方法を選択し、実行する
例えば、朝食を食べない習慣の方に「朝食を食べましょう」と言って実行できる方は半分くらいです。それを習慣化できる方は、さらにその半分くらいかもしれません。朝食を食べないのではなく、食べないことに慣れてしまった、食べる時間がない、食べるものを準備していないなど具体的な原因を見つけて、原因に沿った改善策を提案します。
もし、ご自分で食習慣を見直してみようと思われた方は、今回の方法を参考に挑戦してみませんか。管理栄養士による栄養指導を受けたい方は、あくまでも治療ですので医師の判断になりますが、まずは、気になっていることをかかりつけの医師に相談してみてください。
 

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