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うみねこ通信 No.279 令和4年9月号

言語聴覚療法とは

中央リハビリテーション部 言語聴覚士 戸賀沢 岳

初秋となり、「〇〇の秋」といわれる季節となってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?さて、今回は「言語聴覚療法」についてご紹介します。
言語聴覚士とは
 ことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援しています。また、摂食・嚥下の問題(飲み込みの機能の問題)にも専門的に支援しています。
言語聴覚療法とは
 言語聴覚士が、ことば、きこえ、食べることの障害のある方を対象に、機能面の改善や自分らしい生活の構築などを通して、生活の質を高めるための支援をするリハビリテーションの一領域です。
超高齢社会でのリハビリテーション
 昨今の日本は、人口に占める高齢者の割合が増加する「高齢化」と、出生率の低下により若年者人口が減少する「少子化」が同時に進行する少子高齢化社会となっています。超高齢社会となり、高齢者へ対するリハビリテーションの需要も高まっています。リハビリテーションといえば、すなわち「運動のリハビリ」がイメージしやすいのではないでしょうか?その通りで、運動器疾患改善のための運動療法は世間一般では浸透しつつあります。しかし、言語聴覚療法による「ことばのリハビリ」「きこえのリハビリ」「飲み込みのリハビリ」はご存じない方も多いと思われます。超高齢社会に焦点を当ててみると、「運動のリハビリ」と同じくらい「ことばのリハビリ」「きこえのリハビリ」「飲み込みのリハビリ」の必要性が高まっています。そこで言語聴覚療法が対象となる代表的な症状を紹介します。

『失語症』・・・脳損傷により、言語機能(きのう)である「聴く」、「話す」、「読む」、「書く」、「計算」の全ての能力が障害される事をいいます。失語症は見た目ではわかりにくい障害です。コミュニケーションが取れず、いらだちや不安感など、強い疎外感に襲われる方が多いです。
『発声・構音障害』・・・主に、脳損傷により、中枢~末梢に至る神経・筋系のいずれかの病変による発声発語器官の運動障害です。呼吸・発声・共鳴・抑揚などの発話全般の機能の低下を示します。また、顔面や舌の神経麻痺を伴う事も多く、顔面の左右差や呂律が回りにくい等の訴えが多くみられます。
『摂食・嚥下障害』・・・脳損傷や加齢により、食べ物を見て(認知)、口に入れ(捕食)、噛み(咀嚼)、形を整えて(食塊形成)、一気に飲み込む(嚥下)という事のどこかが困難になっている為に起こる障害です。発声・構音障害が合併していることが多いです。
『顔面神経麻痺』・・・中枢性と末梢性に分かれます。中枢性の顔面神経麻痺は、主に脳損傷により発症します。しかし、末梢性の顔面神経麻痺は顔面神経の神経節(神経の分岐点のような部分)に潜んでいるウイルスが何らかの理由で活性化した際に神経を傷付け神経炎を引き起こしているという説があります。急に発症し、朝起きて鏡を見たら顔が曲がっていた、とびっくりして医療機関を訪れる患者さんが多いです。

なかなか浸透していない言語聴覚療法ですが、ご理解頂けましたでしょうか?
何か気になる症状があったら医療機関を受診しましょう。
 

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