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1982年オーストラリアで発見された胃の中に生息している細菌で、ひげの部分をヘリコプターのようにらせん状に旋回させて動き回ることから名前の由来がきており、胃炎や消化性潰瘍の原因となっております。
胃の中においては尿素からアンモニアを作り出し、身のまわりの酸を和らげて生息しております。
50代以上の日本人で70~80%の方がピロリ菌に感染しているといわれ、およそ日本人の6000万人に感染しているものと考えられております。
その感染経路ははっきりとは解明されていませんが、経口感染が主な経路と考えられており、上下水道整備されていないような地域や国では感染率が高くなっています。
胃の壁を傷つけ、胃を守っている粘液を減らし、酸の攻撃を受けやすくしてしまうので、胃炎や消化性潰瘍を発症させる要因になります。
ピロリ菌に感染しても潰瘍や胃癌が必ず発症するわけではありませんが、感染したほどんどの人に胃粘膜の慢性的な炎症が続き胃炎がおこります。
最近ピロリ菌と胃がんの関係について解明されつつあり、ピロリ菌陽性例および陰性例に対して10年間の追跡調査を行った結果、ピロリ菌陽性例では2.9%(36/1246例)に胃がんが発見され、陰性例では胃がんが認められなかったという研究発表もされています。
ピロリ菌の除菌には、胃酸の分泌を抑制するお薬と2種類の抗生物質の計3つのお薬を1週間服用します。
除菌の成功により消化性潰瘍の再発を著明に抑制しますが、除菌成功率は80~90%です。失敗の場合は再除菌(2次除菌)を行うか維持療法を行う必要があります。
胃や十二指腸に異常があり、胃潰瘍をくりかえす人など、消化性潰瘍と診断された患者さんは、健康保険で検査を受けることが出来ます。
この他、胃がん家系でご心配な方や、なんとなく胃の具合がいつも悪い方などは消化器内科医師にご相談ください。また人間ドックや検診などでも希望すれば自費で検査を受けることが出来ます。
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