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診療ニュース No.011 平成21年5月号

ミニマム創内視鏡下泌尿器科手術のご紹介

第二泌尿器科部長  伊藤 弘之

術後1週間のミニマム創ミニマム創内視鏡下手術(ミニマム創手術)とは「臓器がようやく取り出せるサイズの単一創で完了する手術」であり、東京医科歯科大学泌尿器科で施工されていた手術が徐々に普及しました。平成20年度診療報酬より「内視鏡下小切開泌尿器腫瘍手術」として保険導入となり、日本ミニマム創泌尿器内視鏡外科学会も設立されました。

この手術をするにあたっては施設基準を満たし認定を受ける必要がありますが、当院では平成20年4月の保険収載と同時に施設認定を受け、主に腎、尿管の手術をこの方法で行っています。

ミニマム創手術は開放手術と腹腔鏡手術の中間にある手術です。約5~6cmの皮膚切開で創から内視鏡を挿入、さらに直視も併用しながら手術を行います。腹腔鏡手術の場合も臓器を摘出するためには5~6cmの皮膚切開が最終的に必要となるため、皮膚切開の大きさは同じになります。

ミニマム創内視鏡下泌尿器科手術の概念ミニマム創手術のメリットとしては低侵襲であり、内視鏡による拡大視とともに立体視も併用すること、必要時は手指による触診をすることができること、気腹のためのガスを使用しないこと、また低コストであることなど、開放手術と腹腔鏡手術の利点を併せ持つ手術です。一方、デメリットとしては操作が窮屈になることがあげられます。しかし術後の回復や疼痛の軽減など患者さんに対しては大きなメリットのある手術です。

当院では現在まで腎摘除術を中心に約40例に対しミニマム創手術を施行しています。数例で剥離操作のためや、腫瘍が大きいため5~6cmの皮膚切開から抽出できないため創の延長を施行しましたが、それ以外では大きな合併症やトラブルは生じていません。切開創の延長が可能なことはある意味この手術のメリットでもあり、腫瘍の状態や、患者さんの状態に応じて創の長さを調整しフレキシブルに対応でき、これは腹腔鏡手術にはないメリットです。ミニマム創手術についてのお問い合わせ等ありましたら、当院泌尿器科にお尋ねください。

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