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うみねこ通信 No.228 平成30年6月号

知っとぉ?“オーラルフレイル!! ” - 健康長寿に向けて -

歯科口腔外科医師 野口 貴雄

私ごとで誠に恐縮ではございますが、今年でちょうど40歳となります。つい最近まで福岡で高校生をしていたように思っていたのですが、地元を離れてから約20年も経つと、普通に博多弁を使えなくなってしまいました。(「知っとぉ?」とは、博多弁で「知ってますか?」という意味です。)

そこで今回は、知らずに失ってしまいがちな「健康」、特に「健康長寿」というものを取り上げてみたいと思います。

これまで健康長寿には、生活習慣病の予防が重要だと言われてきました。ところが最近の研究では、高齢になればなるほど、生活習慣病の予防だけでは健康を保てないことが明らかになってきています。介護を受けている人が、主に何が原因で介護が必要になったのかを調べてみると、認知症、脳血管疾患、高齢による衰弱、転倒による骨折、心疾患などとなっています。全体の約半数の項目で身体的な衰えが原因となって介護が必要になっていることから、3、4年前から老化について研究する学会が「フレイル」という考え方を提唱しはじめました。フレイルとは、「虚弱」を意味する英語「frailty」を語源として作られた言葉です。簡単に説明すると、健康な状態と日常生活で介護が必要な状態の中間を意味します。多くの方は健康な状態から、このフレイルを経て要介護状態へ移行すると考えられています。

ここで重要なことは、早い時期にフレイルの兆候を見つけ、適切な対応をとると、健康な状態に回復したり、機能の低下を遅らせたりできるということです。フレイルの主な原因として、「運動能力の低下」、「低栄養」及び「社会参加の喪失」が挙げられています。これらの3つはお互いに影響を及ぼし合っていますので、どれか1つが進行してしまうと、他の2つも進行してしまいます。フレイルを防ぐ(遅らせる)ためには、これらの3つを同時に考慮する必要があります。

「オーラルフレイル」とは、滑舌の低下、食べこぼし、わずかなむせ、かめない食品が増えるなどの些細な口腔機能の低下が該当します。最近は、口腔機能の低下の原因に脳梗塞が潜んでいたり、口腔機能の低下が誤嚥性肺炎の原因となっていたりと、たかが口腔機能かもしれませんが、様々な全身疾患との関連がクローズアップされるようになってきました。日頃、当たり前のように考えている口腔機能ではありますが、実際に喪失するとなかなかやっかいです。個人的な体験としては、歯並びの治療を受けている期間は、噛むと痛いので、食べられるものや食事量は減りました。会話するのも痛いし面倒なので、周囲との交わりも少し減りました。オーラルフレイルの疑似体験をしていたようなものでした。

疑似体験であれば、すぐ元に戻すことができます。しかし、実際にオーラルフレイルに陥ってしまうとなかなか元どおりにはなりません。「最近、なんだか口腔機能が衰えてきたかもしれないなぁ。」という方は、「固いものを食べられるか」、「お茶や汁ものでむせることがあるか」及び「以前と比べて、滑舌が悪くなっていないか」をチェックしてみてください。もしかすると、オーラルフレイルになっているか、もしくはオーラルフレイルに近い状態かもしれません。その時は、お口や舌の体操(摂食機能訓練)を行わないと、健康長寿のための口腔機能を維持できない可能性が高いと思われます。

とりとめのない内容ではありましたが、皆さまの健康長寿の一助となれれば幸いです。

最後まで読んでいただき、おやっとさぁでした(お疲れさまでした)。

 

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