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健康診断部長 日向 豪史
日本人の平均寿命は、世界でもトップクラス。2016年の統計では、男性80.98歳、女性87.14歳です。女性は男性に比して、6歳ほど長生きなんですね。平均寿命は今後もほんの少しずつのびていくと予想されています。ところで、青森県の平均寿命はどうでしょう。男性で78.67歳、女性で85.93歳。日本全体の平均より、男女ともに2~3年短命ですね。青森県民は不健康だから、早死になのでしょうか。皆さん、健康で長生きしたいと思いますよね。
健康とは、「身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、単に病気あるは虚弱でないことではない」とWHO(世界保健機関)で定義されています。そして、健康寿命という概念が生まれました。健康寿命は、日常的・継続的な医療、介護に依存しないで自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のことです。健康寿命を計算してみると、日本人は男性71.19歳、女性74.21歳。男女の差は少し縮まります。健康寿命に影響を及ぼす原因の一位は、骨折などで代表される運動器疾患です。
都道府県別の健康寿命のランキング(2016年)では、青森県は男性71.64歳で34位、女性は75.14歳で20位。最下位を免れるどころか、中堅の位置です。青森県民は、特別に不健康であるわけではないようです。むしろ、介護を要しない元気な高齢者がたくさんいるとも言えるでしょう。
さて、健康寿命をのばすにはどうしたら良いのでしょうか。最近発表された論文では、摂取する食品の種類が多いほど、健康寿命が長くなる傾向にあるというデータがあります。2010年度で日本は、食品の種類の多さでは世界第2位だそうです。(1位はニュージーランド。3位はスペイン)。
運動は、どうでしょうか。糖尿病の患者さんを対象にしたヨーロッパの研究では、運動量が少ない群に比して、運動量の多い群は死亡リスクが約30%低下していました。取り組んだ運動は、ウォーキング、サイクリング、ガーデニング、スポーツ、家事、日曜大工など多彩でした。必ずしも強い運動を長く続ける必要はないのです。65歳以上では、強度を問わない身体運動を毎日40分することがお勧めです。例としては、ラジオ体操10分、歩行20分、植物水やり10分です。
元気に暮らす高齢者は、どんな生活をしているのでしょうか。90歳を超える方にインタビューをした報告があります。食生活は野菜、肉、果物、豆腐など様々で種類は豊富です。
お酒も少し楽しんでる方もいます。ボランティア活動など、生きがいを持って過ごされてる方が多いようです。