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うみねこ通信 No.300 令和5年6月号

電子処方箋ってなんだろう

薬剤部長 猪股 英幸

〇電子処方箋とは
電子処方箋とは、これまで紙で発行していた処方箋を電子化したものです。

〇電子処方箋のしくみ
医師や歯科医師が患者さんに処方する薬を「電子処方箋管理サービス」という専用システムに登録し、薬剤師がこの電子処方箋管理サービスから処方内容をダウンロードして調剤するというしくみです。この電子処方箋管理サービスを使うためには、患者さんが電子処方箋の発行を選択することと、事前に医師や歯科医師、薬剤師らが患者さんから同意を得ることが必要となります。ちなみに、調剤された薬は薬局でマイナンバーカードや健康保険証を提示することによって受け取ることができます。

〇電子処方箋のメリット・デメリット
電子処方箋のメリットは、複数の医療機関や薬局にまたがるお薬の情報を医師や歯科医師、薬剤師らが共有することができるようになるため、処方箋を発行する医師や歯科医師、処方箋を調剤する薬剤師は、同じような薬が処方されていないか、飲み合わせの悪い薬を服用していないかなど確認できるようになります。その結果、患者さんは今まで以上に安心して薬を受け取ることが可能となります。
また、紙の処方箋が発行されないため、患者さんが処方箋を薬局に持っていく必要がなくなります。お薬は処方箋の使用期間内(処方日から4日以内)であれば、都合のよいときに受け取りに行けばよくなります。同様に、紙の処方箋が渡されるわけではありませんので、うっかりして処方箋を紛失してしまうといった心配もなくなります。
ただし、デメリットとなりそうな点としては、これは医療機関や薬局側の問題ですが、電子処方箋のシステムを導入するにあたり時間やコストがかかりそうといったことなどが考えられております。

〇電子処方箋の今後の展望
導入が進めば、患者さん一人ひとりの薬の処方履歴が、この電子処方箋管理サービスで管理され、複数の医療機関や薬局が情報を共有できるようになるため、無駄な薬の処方もなくなり医療費の圧縮につながることが考えられます。また、病院を受診したときや、お薬を受け取る際にお薬手帳を忘れてしまった場合でも、医師や歯科医師、薬剤師らに自分が服用している薬の情報を正確に伝えることができるようになります。
さらには、処方に関するデータをこの専用システムで管理できることから、救急時や大規模災害時、そしてオンライン診療や在宅医療における処方の利便性の向上が期待されています。

〇最 後 に
このように、電子処方箋はお薬の適正使用や増加傾向にある医療費の抑制にもつながるものであると考えられておりますが、現在のところ、普及率(実際に電子処方箋を発行している医療機関)は全国でも数パーセントといわれております。青森労災病院でも今は準備中という段階でして、全国的にも同じように準備中の医療機関のほうが多いと考えられております。ですが、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の発展に伴い、医療の効率化や質の向上が実現することになると、電子処方箋ばかりでなく、様々な医療機関でのネットワークの構築が進んでいくことによって、患者さんにとってより安心で安全、便利な医療環境が整うのは遠い未来ではないかもしれません。
電子処方箋などの情報について、もっと詳しく知りたい場合は、厚生労働省のホームページhttps://www.mhlw.go.jp/も一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
 

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