HOME ≫ 各部門のご紹介 ≫ がん診療センター ≫がん臨床研究センター ≫ プロジェクト4
放射性核種を内服や静注で体内に投与しがんやバセドウ病の治療を行う手法は、内用療法と総称されます。時代とともに使用する核種や標識化合物に進歩はみられますが、何れも病巣部に核種をできるだけ選択的に分布させ効率的に放射線の効果を得るよう工夫されているため、治療に伴う有害事象は大きな問題にはなりにくいと言えます。しかし、それでも病巣の大きさ・拡がり、核種の集積などは患者間で異なるため、身体的影響が実際にどの程度なのか各々詳しく評価しておくことは重要です。
このような観点から、我々は生物学的に身体影響評価を行う手技に以前から着目、最近これを確立しており、末梢血リンパ球にみられる染色体の変化と治療後の動態を解析することで病巣部以外の身体影響の程度を推測できるようになりました。現在、当院において内用療法を受ける患者さんのご協力により結果が徐々に蓄積され、患者さん個人へのフィードバックと同時に俯瞰的なデータ解析も少しずつ進められています。今後、被ばく医療への情報提供など社会的な貢献も視野に入れることが出来ると考えています。(弘前大学との共同研究。)