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うみねこ通信 No.7 平成12年1月号

肥満、肥満症について

第3内科副部長  日向 豪史

肥満とは、体脂肪が過剰な状態を指します。体脂肪というのは人の体についた脂肪組織のことです。厳密に体脂肪を測定するのは大変ですので、一般には、体重と身長から肥満の判定をします。

肥満の判定方法としては、BMI(ビー・エム・アイ)といって、体重(kg)を身長(m)の2乗で割る方法が一般的です。170cmで70kgの人は、70÷1.7÷1.7で24.2(kg/m2)となります。22が理想的な値とされていますが、最近の基準では25を越えると肥満と判定します。

食事も欧米化してきてカロリーの高い食品も増えていますし、交通機関が発達したおかげで運動不足が生じ、肥満は増えています。

肥満のなかで、特に現在、高血圧や糖尿病などを合併しているか、将来その危険性があり、医学的見地から治療が必要と考えられる状態を肥満症としています。さらに最近は、脂肪のつく場所で分けて、皮下脂肪よりも内臓脂肪が蓄積する状態が、より糖尿病や高血圧を合併しやすいことがわかってきています。内臓脂肪は内臓の周りにつく脂肪組織のことです。病院で、お腹の断層写真を撮ると、内臓の周りに付いた脂肪の量を測ることができます。内臓脂肪を直接測っているわけではないですが、ウエストのサイズもいい指標になります。

肥満症治療の基本は、食事療法です。まず、1日3食を食べる習慣、理想体重を基準にした食事のカロリー制限を行いつつ栄養のバランスをとることです。当院では、管理栄養士による食事指導を行っております。決して自分勝手に無理をしないことです。食事をぬいたり、同じものだけ食べてやせようとすると、体調をくずしたり、なんといっても長続きしません。

運動療法は、糖尿病や高血圧の予防や、血糖と血圧の改善につながるので好ましい治療です。ただ、運動による消費カロリーはそれほど大きくありません。運動を継続して行うと、消費カロリーの多いからだになっていきます。結局、食事療法が守れないと、運動だけ行ってもなかなかやせないということになります。

ダイエットの方法などは、マスメディアからの情報が氾濫していて、またきちんとしたデータがないものが多いです。高価なものを購入しても、効果がなかったということで問題になることもありますので注意しましょう。

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