閉じる
HOME
診療科のご案内
当院のご紹介
ご来院の皆様
採用情報
診療科・各部門
各種ご案内


HOME ≫ 各種ご案内 ≫ 広報誌のご案内 ≫ うみねこ通信 ≫ バックナンバー ≫ 平成17年1月号

うみねこ通信 No.67 平成17年1月号

謹 賀 新 年
本年もよろしくお願いします。

乳癌について

外科副部長  高橋 誠司

今回は現在、女性で増加中の乳癌についてお話します。

● 乳癌とは?

日本でも生活様式の欧米化に伴い、乳癌の発生率は増加傾向にあります。現在、年間約30000人の女性が乳癌に新たに罹患しています。ただし、他の癌に比べて乳癌では手術や他の治療が効きやすく、比較的治りやすい癌です。それだけに乳癌に対する早期発見による適切な治療が重要と言われています。

● 乳癌になりやすいとされる危険因子は?

(1)年齢が40歳以上(2)未婚で30歳以上(3)初産年齢が30歳以上(4)閉経が55歳以上(5)肥満の方(6)乳癌にかかったことがある(7)良性乳腺疾患になったことがある(8)家族の中に乳癌になった人がいる、などが挙げられます。

● 乳癌の症状

乳癌の症状には乳房のしこりや痛み、乳頭からの血が混じった分泌物が出たり、腋の下のリンパ節の腫れなどがありますが、最も多いのは乳房のしこりです。定期的な自己検診および年に1回の乳癌検診での検査が重要となってくるので、是非、実行してみてください。

● 乳癌の自己検診の方法

乳癌は自分で発見することもできる病気であり、日頃からの自己検診が大変重要になってきます。

生理が始まって、1週間後を目安に、乳房のはりや痛みがなくなり、柔らかくなった時期に自分で乳房を触って見ましょう。閉経後の方は、月に一度、日にちを決めて自己検診を行うことが重要です。
自己検診の方法は、病院や保健所などにパンフレットがおいてありますので、是非、参考にしてみてください。
もし、自分で乳房にしこりや異常を感じたら、外科を受診することをお薦めします。

● 乳癌検診やしこりを自覚して病院を受診したら?

通常、乳癌検診の目的やしこりを自覚して病院を受診した際には、下記のような検査を行います。

  • 触診:乳腺内のしこりの有無や腋窩リンパ節の腫脹の有無を調べる。
  • 超音波検査:超音波を利用して、乳腺の状態やしこりの内部構造を観察でき、しこりがあった場合の良性・悪性の鑑別に役立ちます。
  • 乳房X線撮影 (マンモグラフィー):乳房を圧迫して撮影する方法で、触診ではわからないような、微小な病変・異常な石灰化なども描出が可能であり、重要な検査です。
  • 穿刺吸引細胞診:諸検査の結果、乳房の中にしこりがあり、良性・悪性の診断が必要な時に施行します.注射の針を用い、しこりに直接刺して、細胞を吸引し顕微鏡で検査を行います。
● 乳癌の治療は?

乳癌の治療には大きくわけて、手術療法、化学療法(抗癌剤治療)、ホルモン療法、放射線療法があります。癌の進行度や患者さんの状態により適切な治療法が選択されます。

治療は、まず手術(乳房切除または乳房温存手術)を行うことが多いのですが、手術の前に化学療法を行うケースも増加しています(術前化学療法)。しこりが大きい場合やリンパ節転移がある時など、あるいは、乳房を温存することを目的に、化学療法を施行して、しこりを小さくしてから手術を行う場合など、いろいろなケースが存在します。

また、手術をした後に、再発を防止する目的で化学療法を追加したり、乳房温存手術をお受けいただいた患者さんには、術後の放射線治療(残った乳房に放射線をかけます)をお受けいただきます。乳癌は女性ホルモンと深く関わっていることが多く、そのような場合には、ホルモン剤の内服をお薦めする場合もあります。

● 手術した後は?

乳癌の再発の多くは、手術後3年以内にみられますが、それ以降の再発のケースは頻度的には少ないですが認められます。したがって、手術後も定期的に病院に通って頂くことが大切です。残念ながら、再発が認められた場合でも、治療が効きやすい病気ですから、あきらめずに治療を頑張っていただく事が重要です。

このページの先頭へ