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うみねこ通信 No.109 平成20年7月号

かゆ~い "じんま疹"

皮膚科  亀田 忠孝

【じんま疹 なんなの】

赤く盛り上がったブツブツ(ぼうしん)が突然生じ、痒みが強いのが特徴です。ブツブツは「円形」「楕円形」「地図状」など、いろいろな形で現れます。これらの症状は数時間で消えることもありますが、次々と現れたり消えたりしながら、一日中続くこともあります。症状が出始めてから一ヶ月以内に出なくなるものが急性じんま疹で、症状が一ヶ月以上も続くものを慢性じんま疹といいます。じんま疹の原因にはいろいろありますが、ほとんどの場合、ヒスタミンという物質がかかわっています。

【じんま疹 どうしておこるの】

急性じんま疹では食べ物や細菌、ウイルスなど原因がはっきり分かっていることもあります。また、ある特定の食品(そばや小麦)を食べたあと、すぐ運動すると全身にでることがあります。しかし、慢性じんま疹では原因がはっきりせず、つかみどころがなくなります。長く続くときにはストレスや疲労などさまざまな刺激が原因となり、過敏体質と組み合わさって、症状が繰り返されている場合もあります。仕事や学校でのちょっとした環境の変化が原因かも知れません。じんま疹すべてがアレルギー性とはかぎらず、皮膚に圧迫などの刺激が加わるときに起こったり(物理性じんま疹)、温熱や寒冷などの温度の変化(温熱、寒冷じんま疹)なども原因となることがあります。じんま疹が続くと、皮膚以外の内臓の病気を疑いがちですが、ほとんどの場合、肝臓など内臓の病気とは関係がありません。

【じんま疹 出たらどうするの】

じんま疹の治療でもっとも大切なことは原因を見つけて、それを除くことです。まず、食べ物などで原因が分かっていれば、できるだけ避けましょう。そして、日常生活では疲労やストレスをためないこと。魚介類や肉類は新鮮なものを食べ、添加物や着色料の少ない食品にすること。じんま疹にはヒスタミンという物質が関係しています。ですから、じんま疹の種類にかかわらず、ヒスタミンの働きを抑えることが治療につながります。よく使われるのが抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬です。これを服用していれば、たいての症状はコントロールすることができます。抗ヒスタミン薬の副作用として、眠気が起こることがあります。車の運転や危険な仕事をする人は気をつけなければいけません。しかし、最近では眠気のほとんど起こりにくい薬もでています。

【じんま疹 出なくするにはどうするの】

じんま疹は強いかゆみを引き起こします。つい、かいてしまいがちですが、かえって症状を悪化させます。かゆみを抑えるためには、軽く冷やすとよいでしょう。じんま疹が起こっているときに、熱いお風呂に入るのはよくありません。よけいひどくなったりします。ぬるめのシャワーをさっと浴びるていどにとどめておきましょう。

原因を避けることが再発防止になります。例えば、寒冷じんま疹がある人は、冷たいプールに入ることを避けてください。しかし、原因がはっきりしない慢性じんま疹の場合には、再発を防ぐのが難しいこともあります。再発してもあせらずに治療してください。じんま疹の悪化を防ぐためには、ストレスを避けることも重要です。ストレスはそれ自体がじんま疹の原因になります。さらに、ストレスによって、体調が悪くなると胃腸の働きが低下して、じんま疹が引き起こされる場合もあります。出来る範囲でゆとりのある生活を心がけるとよいでしょう。

症状と薬が合うと、じんま疹はまったく出なくなります。大切なのは症状が出なくなったからといって服薬をやめないことです。じんま疹を起こす物質が血液からなくなるまで、しんぼう強く、症状が出なくなっても飲み続け、徐々に量を減らしていく方法が完治につながります。

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