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うみねこ通信 No.164 平成25年2月号

高血圧改善の運動で健康に

中央リハビリテーション部長 畠山 榮

青森県は平均寿命でみると全国順位では寿命の最も短い県として厚生労働省の都道府県別平均寿命ランキングで公表されている。この短い原因として寒さが厳しいからではと思われそうだが、より寒さの厳しい北海道の順位は全国の中間に近い位置にあり、寒さが大きな要因とはいえないようだ。寿命が短い理由として数々ある中で、健康への意識レベルや実行度に差があるのではないかとも考えられている。

健康に大きな影響をあたえるものに高血圧がある。年齢を重ねるほど血圧は高くなりがちで、これに肥満や脂質異常症・糖尿病などを伴うと動脈硬化を一層進めて心臓病などの重い病気を引き起こしやすくなる。これらを予防するため血圧を正常に保つように日頃から自らの健康管理をしていくことが望まれている。

血圧の高い方は血圧を下げるために薬にだけ頼っていて良いのだろうか。降圧剤を服用して安心しているのではあまり健康意識が高いとは言えないようだ。現在は中等度ぐらいまでの高血圧には運動による改善効果があると研究により実証されている。高齢者ほど合併症が多くなりがちで運動療法を実施するには細心の注意が必要ではあるが、適度な運動を続けたら収縮期血圧を10mmHg下げられたという事実がある。この収縮期血圧というのは2mmHg下がるだけで心臓血管病発症の危険性を4%、脳血管障害の発症危険性は6%低下させることが明らかにされているので、10mmHg改善の効果は大きい。また、運動によって肥満の改善が出来ることや心臓病の予防、糖尿病の抑制効果も得られることなどのように、運動が健康におよぼす効果は高い。

一般には運動として簡単なものからかなり息切れするハードなものなど、様々なものが紹介されているなかで降圧に有効なものをどう選んでよいのか迷ってしまう。日本高血圧学会の治療ガイドラインによると「1日30分以上の運動を出来るだけ毎日、定期的に行うのが適当である」とされている。そして望ましい運動は有酸素運動というもので、ジョギングやウォーキング、自転車運動などのような軽い負荷で数10分続ける連続運動をいう。このときの脈拍は100前後になるようにして、少し息が弾み、汗ばむくらいが良い目安となる。また、手軽な方法としては週に2~3回以上で合計140分以上の運動でも血圧降下結果が得られるということもある。ところで、日頃運動機会の少なかった人は医師のメディカルチェックを受けてから、体への負担を少なくするため、回数や時間は可能な範囲で徐々に始めて、まず実行していく事が大切となる。

高血圧者は全国では推定4000万人に達すると言われる日本最大の生活習慣病であり、人口高齢化により今後も増え続けると予測されている。健康への意識を高めて生活に運動習慣を根付かせることで、健康寿命をより長くして行く事が家庭や地域・社会の健全性維持の面からも求められており、短命県の返上に必要である。

 

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