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うみねこ通信 No.196 平成27年10月号

患者さん協働の医療

医療安全管理者 髙山 千賀子

外来に通院されている患者さん、長い待ち時間の末、やっと診察に呼ばれても時間が短く、うまく言いたいことが伝えられない経験はありませんか?入院されている患者さん、やっと主治医が回診に来てもあっという間で、今後の見通しが聞けない経験はありませんか?『先生方も忙しいから仕方ない』などと遠慮されているのだとしたら、大変申し訳なく思います。

体調不良を感じて医療機関を受診するとき、誰もが「早くつらい症状を和らげてほしい」「一日でも早く病気を治してほしい」と望みます。そんな時だからこそ、早く適切な治療を受けるコツがあるのをご存知でしょうか?下記は厚生労働省研究班作成による「上手な医者のかかりかた10か条」です。

1.伝えたいことはメモして準備
2.対話の始まりはあいさつから
3.よりよい関係づくりにはあなたにも責任が
4.自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
5.これからの見通しを聞きましょう
6.その後の変化も伝える努力を
7.大事なことはメモをとって確認
8.納得できないときは何度でも質問
9.治療効果を上げるため、お互いに理解が必要
10.よく相談し、治療方法を決めましょう

「患者さん中心の医療」はもちろんですが、これからは「患者さん協働の医療」に変わりつつあります。車の運転で例えるとしたら、運転手は患者さんで、案内役は医師です。あなたは案内役に任せっぱなしの運転手になっていませんか?医療は色々なコース(治療法)のメリット(良い点)やリスク(危険性)を理解した上で、自分の生活スタイルや将来設計などを考えてコースを選択していく、患者さんと医師の協働作業です。最後まで完走したいと思うのであれば、両者が話し合い、協力して、最も良いコースを選ぶことが大切なのです。お任せの医療から、理解して参加する医療に変えていきましょう。

私は今年度から医療安全管理者となりました。患者さんと接する機会が少ないので、少し寂しい気がします。主な仕事のひとつは、各部署から届く医療ミスの報告書をまとめることです。「ミス」と聞くと、患者さん方は「ドキッ」とするかもしれませんね。でもその内容は、患者さんに直接影響が少ない事例がほとんどです。例えば、先日の報告書では、A患者さんにB患者さんの食事を間違えて渡しそうになったという報告がありました。そんなことで?と思うかもしれませんが、こうした報告が大きなミスへの防止策になるのです。患者さんはベッド位置が変更になり全体に伝えられていなかったのではないか、食事の名札が見えにくかったのではないか、間違えそうになった看護師は疲れていなかったのか、など調査し分析して対策を検討していきます。「1つの大事故には100個の中等度の事故が、さらにその背景には10,000個の小事故がある」という理論に基づき、報告書を分析し、事故につながりうる日常のほころびを探索するといった、「事故の予防、対策」を使命としています。医療者も人間です。時として間違った行動をしてしまうことがあるのです。そこでぜひ、前述の通り、患者さんの医療参加をお願いしたいと思います。

まずは、明日から出来ることを実践してみましょう。名前を聞かれたらフルネームで答えましょう。お薬手帳が何冊にもなっていませんか?一冊にまとめましょう。メモを取る癖をつけましょう。医師には要点をまとめてお話しましょう。患者さん自身にも積極的に医療に参加していただき、これからも安全な医療、快適な医療を提供していきたいと考えています。もし何かお困りのことがありましたら、遠慮なく御相談ください。

 

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