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うみねこ通信 No.217 平成29年7月号

お薬をどのように保管していますか?

主任薬剤師 猪股 英幸

みなさんはお薬をどのように保管していますか? わたくし共、青森労災病院の薬剤部では、入院する患者さんに対して、普段飲んでいる薬やお薬手帳などのチェックをさせていただいております。 持参薬の鑑別とも言っておりますが、これによって、薬の飲み忘れや飲み残しがないか、また、飲み合わせの良し悪しの確認や、薬の副作用やアレルギーなどといったことが無いかなど、様々な情報収集を行っております。 この持参薬の鑑別作業を行ってみて、少し気になったことがありましたのでお話しさせて頂きます。

①お薬は1つずつ切りはなさない。
薬はPTPヒートという包装のまま調剤されていることが多いのですが、このPTPヒートには薬を湿気や直射日光から守るという役割があります。 薬を1つずつ切りはなした状態でまとめて保管していると、角があたってPTPヒートがやぶれ、薬のききめが悪くなってしまうことがあります。 同様に、薬を一錠ずつ切り取りホッチキスで一回分にまとめたり、薬をPTPヒートから取り出してビニル袋にいれかえている場合もあるようですが、やはり、薬のききめが悪くなる原因となります。 それに、薬の紛失の原因にもなりかねません。 薬の正しい保管方法は、湿気の少ないところ(普段の居間で良いです)に、もらってきた薬袋に入れてPTPヒートを切り離さずにとっておくことです。 ちなみに、PTPヒートについているミシン目が一方向だけになったのは1996年(もう20年以上も前のことなんですね)からのことだそうですが、これはPTPヒートのまま薬を飲んでしまわないように、との工夫からだそうです。 薬をPTPヒートのまま飲み込んで、それが消化管(食道や胃、腸などのことです)にひっかかってしまって、取り出すために手術しなくてはならなくなってしまった人もいらっしゃるそうです。 PTPヒートの誤飲にはくれぐれも注意しましょう。 また、冷所保存の薬は凍らせないように冷蔵庫に保管し、小さなお子様のいる家庭では間違って飲んだりしないようにお子様の手の届かないところに保管するなど、十分に注意してください。

②前にもらった薬をいつまでもとっておかない。
薬はその時の症状に合わせて処方されています。 いつかまた使えるかもと思ってとっておいても、薬自体のききめが悪くなっていたり、似たような症状だと思っても原因がまったく違っている場合もあります。 それに、すべての薬には使用期限があります。 目薬を例にすると、一度使い始めたら早いもので1週間、長くても1か月以内というものが多いようです。 薬は医師の指示を守り使い切るのがベストです。古い薬はとっておいたり、くり返し使ったりしないようにしましょう。

③薬は一人ひとり管理する。
持参薬の鑑別をしていたら、他の人の薬(この時は患者さんの奥さんの薬でした)が出てきたことがありました。 飲み間違いの防止の為にも、薬は一人ひとり保管しましょう。 また、自分の薬を他の人に渡したり、目薬や軟膏などの使いまわしも絶対にしてはなりません。

以上、お薬の保管について少し述べさせていただきました。 クスリは逆さにするとリスク(=危険)とも読めます。 薬の保管についても十分に注意して正しく服薬することを心掛けてください。

最後に、わたくし共は薬をお渡しする(投薬とも言います)際には、患者さんのお名前を確認し、お薬の内容や保管方法などについて説明してからお渡ししております。 同時にお薬手帳による処方歴(どのような薬を飲んでいるか)の確認やお薬のアレルギーや副作用などの発現の有無といった情報収集も行っております。 また、お薬の質問なども随時受け付けておりますので、お薬の服用や保管について、なにか気になるようなことがございましたら、遠慮なさらずいつでも薬剤部にご相談ください。

 

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