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うみねこ通信 No.245 令和元年11月号

眼瞼下垂

眼科部長 木村 百子

若い時は目がパッチリしていたのに、年令とともにだんだん目が開かなくなったと思っていませんか?

上まぶた(上眼瞼)の挙上障害を眼瞼下垂といい、上方の視野が狭く感じられたり、物が見づらくなるなどの症状があります。 眼瞼下垂には、生まれた直後からの先天性のものと成長後に瞼が開かなくなる後天性のものがあります。片側の場合も両側の場合もあります。 先天性の眼瞼下垂と後天的のものは原因が異なります。

            

生まれつきの先天性眼瞼下垂は、瞼を上げる筋肉(眼瞼挙筋)や神経の状態が正常ではないために瞼が開けられないもので、筋肉の成分や筋肉全体が欠損している例がほとんどです。瞳孔が隠れるくらい重度の場合は、視力の発達に障害が出るので早めに手術します。それ以外で視力の発達に障害がない場合は、手術は必ずしも必要ではありません。

後天性眼瞼下垂には、①ある日突然急に瞼が下がってしまう場合②元々は普通に瞼が開いていたのにいつとはなく徐々に瞼が下がってきた場合があります。

①のある日急に瞼が下がった場合は、脳梗塞、脳動脈瘤、糖尿病などによる神経障害が疑われます。朝は普通に瞼が開いているのに、午後あるいは夕方になると開かなくなるというように症状に変化がある場合は、重症筋無力症という疾患が疑われます。また筋肉自体に問題があるミトコンドリア筋症という疾患も瞼が下がる症状がみられることがあります。いずれにせよ、急性発症の眼瞼下垂や瞼が開いたり下がったり症状に変動がある場合は、重大な病気が原因の可能性が考えられますので、脳神経の検査の出来る脳外科あるいは神経内科での検査を受けることを勧めます。原因が判明し、治療可能な疾患であれば下垂は回復します。

②の中年以上の年齢でいつからかはっきりしないが、瞼が開かない、上眼瞼を引き上げるとよく見える、という場合は加齢による眼瞼下垂が考えられます。瞼を上げる作用のある筋肉(眼瞼挙筋)と瞼のなかにある挙筋の作用を受ける支持組織(瞼板)の接合がゆるくなり眼瞼挙筋の力がうまく伝わらない状態、あるいは眼瞼挙筋が伸びて有効な作用が得られない状態、その他単に瞼の皮膚だけがたるんで下がって邪魔になっている場合があります。見え方に支障があり困っている場合は、眼科での手術の対象となります。

 

なお、もっと目を大きくしたいとか、一重を二重にしたいなどの美容手術は保険医療での手術適応はなく、一般の眼科では手術はしていません。

 

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