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うみねこ通信 No.241 令和元年7月号

細胞診検査ってご存じですか?

主任検査技師 神山 泰紀

【細胞診検査とは】

患者さんから採取した様々な検査材料からガラス標本を作り、1個1個の細胞の形態を顕微鏡で観察し、「がん細胞」や「あやしい細胞」を探し出したり、炎症の状態などを診断します。

尿や喀痰などに含まれる細胞や、子宮頸部や気管支などからこすり取った細胞、乳腺・甲状腺などの臓器に細い針を刺して採取した細胞などを顕微鏡で診断します。

細胞診検査は、切除することなく検体を採取できるので、患者さんに苦痛を与えることも少なく繰り返し検査も可能です。

比較的簡易に検査ができることから、集団検診などに応用されています。

【尿細胞診】

尿の中には膀胱・尿管・尿道など尿路系のはがれた細胞が含まれています。それらの細胞を集め、がん細胞を見つけます。自然に排出される尿が検査材料なので、患者さんの負担が少なく何度でも検査が可能です。

また、治療(手術・化学療法)後の経過観察や画像(CTなど)には写らないような小さながんの再発においても検出が可能なこともあり、迅速な追加治療にも役立てられています。

【喀痰細胞診】

喀痰の中には肺・気管支・咽喉頭などからはがれた細胞が含まれています。その中にあるがん細胞を見つけだし、その他にも細菌や真菌(カビ)を検査することもあります。喀痰細胞診も苦痛の少ない検査なので『肺がん検診』に利用されています。

ここで一つ注意点があります。喀痰は各個人で採取していただくため検査結果は喀痰排出の影響をとても受けやすく、肺がんであっても必ず吐き出す全ての喀痰にがん細胞が混じっているとは限りません。唾液や鼻水では適切な検査ができず、とにかくまずは喀痰であることが重要な検査です。

【乳腺・甲状腺細胞診】

乳腺や甲状腺にできたシコリ(病変部)に、一般的な注射針と同じ大きさの針を刺し、細胞を吸引して採取します。超音波でシコリの位置を確認しながら針を刺し、吸引するのが一般的です。採取した細胞を顕微鏡で観察し、がん細胞なのか、そうじゃないのかを診断します。超音波で確認しながら細胞を採取しますが、なかにはシコリ(病変部)が小さかったりすると採取できない事もあり再検査を行う事があります。

【子宮頸部細胞診】

専用ブラシを使って子宮頸がんの発生しやすい子宮頸部や膣部の細胞を採取し、顕微鏡で観察します。子宮頸がん細胞診検査は〔がん細胞〕や〔がんのごく初期の細胞〕や〔がんになりかけの細胞〕があるかどうかがわかります。

子宮頸がんは、初期には症状がほとんどなく、自分で症状を感じる頃には病状が進行していることが少なくありません。この検査も『子宮頸がん検診』に利用されています。

以上、主な細胞診検査について説明させていただきましたが、これら以外の検査材料(胸水・腹水・胆汁・子宮内膜など)の細胞診検査も行われています。

 

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