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うみねこ通信 No.265 令和3年7月号

勤労者看護とは

看護師長補佐 吉田 真弓

労災病院は、働く人々の健康を守ることを使命としています。設立した当初は、労働災害や職業病への直接的な対応のために、日本全国の炭鉱や大きな工場の近くに労災病院が設立されました。その後、時代の流れとともに産業構造や就業構造も変化し、勤労者の健康問題も大きく移り変わってきました。労災病院の新たな役割として、労災医療のみならず勤労者の様々な医療ニーズに対応する勤労者医療、勤労者看護を実践しています。
勤労者看護とは、「勤労者が健康と労働とをより良く調和させ、勤労者各人がその健康レベルに応じて健康的に働くことができるよう、看護の立場から主として臨床の場で健康支援活動を実施すること」と定義されています。
勤労者看護の主な範囲は「疾病予防」、「早期発見」「治療」、「リハビリテーション」、「職場復帰」、「疾病と仕事の両立を促進」と広く多方面に分かれており、勤労者看護の対象は、そのさまざまなステージにいる勤労者とその人を取り巻く人々になります。
私たち看護師の役割は、健康状態と労働生活のバランスがとれるように、患者さんのそばで支え、個々の状態に合わせた健康支援を行うことです。そこで私たちは、今の健康状態が労働にどのような悪影響を及ぼすのか、健康状態に関わるいろいろな情報から労働とのバランスをとるために何が必要か、健康状態と労働のバランスをとるうえでその人に合わせた生活の工夫・行動は何か、必要な医療制度や協力してくれる人・健康を維持していくために必要なものを繋げるためにはどうしたらよいか、など健康状態や労働生活、家庭環境を知る必要があります。そのため、入院時に働いている方から様々な情報を得るために、インタビューシートを記入していただいています。インタビューシートをもとに患者さんと話し合い、得られたいろいろな情報から治療と労働を両立するために、どのような健康支援の活動・援助ができるか、現在の状態だけでなく、今後の生活を見据えて共に考えます。そして、その人に合ったより良い選択ができ、退院後の労働や未来につながるきっかけ作りをお手伝いさせていただきます。また、働く意欲や能力があっても治療のために仕事を続けられなくなったり、仕事を優先して治療がおろそかにならず、適切な治療を受けながら働き続けるために、両立支援コーディネーターと共に、「治療と仕事の両立支援」を行っています。インタビューシートをもとに、話をして得られた患者さんとの情報を共有し、患者さんに必要な支援は何かを一緒に考えてサポートしています。
労災病院の看護師として、働いている皆さんが治療と労働を両立し、安心して豊かな生活が送られる支援を、労災病院がお手伝いできるように、勤労者看護に取り組んでまいります。
治療と仕事を両立するためにも、是非お気軽にご相談ください。
 

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